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アジア金融センターに陰り? 香港【8月18日(火)】

6月30日に中国の全人代が、香港国家安全維持法(国安法)を可決し、香港政府が国安法を公布、施行しました。


国安法は、国家の分裂、中央政府転覆、テロ行為、外国勢力と結託の四つを犯罪として規定しました。


しかし、具体的にどんな行為が該当するのか曖昧で、恣意的な運用への懸念が高まっています。


現実に、香港では国安法を根拠に市民が逮捕され、一部書籍の閲覧禁止など、言論統制が強まっているそうで、香港の自由が制約されつつあります。


香港は、アヘン戦争後の南京条約(1842年)で英国領となり、第二次世界大戦後も英国式資本主義経済が維持されてきました。


1997年に中国に返還され、中国の特別行政区になりましたが、英国と中国は、返還後50年は、従来どおりの制度や生活様式を保証する一国二制度を約束しました。


6月30日施行の国安法では、治安維持の名目で中国当局が香港で捜査や逮捕できる内容が盛り込まれていて、運用によっては一国二制度が骨抜きにされかねず、香港市民が強く反発しているのは、このためです。


香港は、英国統治時代から金融分野での規制が少なく、世界中から金融機関や証券会社が進出し、アジアの金融センターとして発展してきました。


また、中国本土と隣接し、日本や東南アジアにも近く物流の拠点としても発展してきました。


一部企業が機能をソウルやシンガポールに移すとの話はありますが、今のところ経済面では、大きな影響は出ていませんが、香港の自由なビジネス環境が損なわれれば、企業の香港離れが加速する懸念があります。


トランプ大統領が、金融や為替分野に踏み込んだ制裁を検討しているとの話もあり、そうなれは、香港ドルの下落など経済的に大混乱を起こすリスクも排除できません。


香港の国際金融センターとしての地位が、揺らぐことになれば、中国企業にとって資金調達の面だけでも大きな影響を受けるものと思われ、中国経済も無傷ではいられません。


香港に拠点を置く外国企業9,000社のうち1,400社が日本企業です。


日本貿易振興機構(ジェトロ)によれば、現地の日本企業の8割が国安法の影響を懸念していて、3割の企業が事業にマイナスの影響がでると懸念しています。


日本企業も今後、どのような対応を取ればよいのか、国安法の影響とそれに対しての米国の制裁措置の行方を見守っている状況です。

 


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