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紙おむつ 世界初の水平リサイクル【11月5日(木)】

【8113】ユニ・チャーム は、使用済み紙おむつを、新しい紙おむつに再生する事業を始めると、発表しました。


「ムーニー」などの既存の商品とは異なるブランドで、リサイクル商品であることを全面に打ち出し、販売する計画です。


環境・社会・企業統治に配慮している企業に投資する「ESG投資」の流れに対応します。


回収した使用済みの紙おむつから、原料のパルプを取り出し、再び、紙おむつを生産しますが、こうした紙おむつの「水平リサイクル」は、世界初とのことです。


新事業では、地方自治体と組み、使用済みの、紙おむつを回収します。


2020年度中に、東京都で、試験的に始める予定で、その後、提携する自治体を増やしていく計画です。


回収品は、同社のリサイクル施設で、パルプを取り出し、新たな製品に再利用しますが、全国10ヶ所以上で、同様の施設を建設する計画です。


リサイクル前と同じ製品に再生する、「水平リサイクル」は、紙おむつでは、あまり進んできませんでした。


これは、使用済み紙おむつのパルプから、排泄物を完全に取り除くことが、難しいことや紙おむつが、水分を含むため、重さが3~4倍になるなど、個別回収しにくいためだからです。


ユニ・チャームは、使用済み紙おむつから、取り出したパルプを、オゾン滅菌し、新品と同じ品質に戻す技術を開発し、特許を取得しました。


ユニ・チャームにとって、紙おむつは、売上高7,142億円の6割を占め、世界でも、米P&G、米キンバリークラークに次ぐ第3位である主力商品です。


紙おむつの「水平リサイクル」は、技術開発など、コストがかさみ、黒字化には、時間がかかりますが、それでもユニ・チャームが、乗り出すのは、「ESG投資」への関心が高まり、メーカーは、製品を作るだけでよい時代では、なくなったからです。


2019年の国内の紙おむつの生産量は、229億枚で、2011年に比べて、6割増えていますが、そのうち大人用紙おむつは、86億枚で、今後も伸びが、見込まれます。


環境省の推計では、一般廃棄物に占める、紙おむつの量は、2015年度の、4%台から2030年度には、7%まで増える見込みです。

 

これまでは、紙おむつは、焼却処分が、中心でしたが、「水平リサイクル」紙おむつが、普及すれば、焼却費用や二酸化炭素(CO2)の削減に、つながります。


ユニ・チャームの、「水平リサイクル」紙おむつは、当面は、同社の生産量の1%程度の見通しですが、自治体の補助金なども活用し、早期の収益化を目指します。

 


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