米国テスラモーターズ 量産体制が軌道に【11月9日(月)】
米国電気自動車(EV)メーカー、テスラの利益の質が、改善しています。
2020年7~9月の最終利益が、3憶3,100万ドル(約345億円)で、前年同期比2.3倍になり、5四半期連続で黒字を確保しました。
環境規制に伴う、温暖化ガス排出枠(クレジット)販売益という副収入に頼らなくても、本業で稼ぐ力が高まっています。
自動車大手が、不採算の電気自動車事業に苦しんでいる中、量産体制が、軌道に乗り始めました。
新型コロナから、いち早く抜け出した中国での販売が伸び、売上高は、87億7,100万ドル(約9,100億円)と39%増えました。
利益の質も改善しました。
ガソリン車メーカーは、米カリフォルニア州や欧州の規制に適合するため、テスラから、余った温暖化ガス排出枠(クレジット)を購入しています。
規制の強化に伴い、クレジット売買額は、増加傾向にあり、テスラは、2020年4~6月では、4億2,800万ドル(約445億円)のクレジット売却益を計上し、1億400万ドル(約105億円)の黒字を確保しました。
7月~9月期でも、3憶9,700万ドル(約410億円)のクレジット売却益がありましたが、それを差し引いても、最終利益がトントンとなる水準まで、収益体質が、改善しました。
売上高営業利益率が、9.2%で、前年同期比で、2倍になり、EV車の生産と販売での収益力が高まっています。
昨年末、中国上海で完成車工場が稼働し、原価低減が、一気に進みました。
EV車の原価の3割を占める、リチウムイオン電池も、中国製を増やしたり、セルと呼ばれる基幹部品の内製化をするなど、コストダウンを進めています。
既存の自動車メーカーも、EV車の生産を加速していますが、まだ、利益の出ている会社はありません。
赤字でも、環境規制の罰金を回避するために、EV車を販売しているのが現状です。
トヨタ自動車によれば、リチウムイオン電池の価格が高く、売れば売るほど、赤字になるそうです。
カリフォルニア州が、2035年までに、ガソリン車の新規販売を禁止するなど、テスラへの追い風は、さらに強まっています。
テスラの株価は、過去1年で、実質8倍になり、時価総額は、トヨタ自動車と独フォルクスワーゲンと米ゼネラルモーターズの合計を上回ります。
懸念は、今も、社内外の取締役が、カリスマ創業者である、イーロン・マスク氏に忠実とされ、非現実的な計画を制止するガバナンス体制が出来ていないことです。
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