再生可能エネルギー 地熱発電所の新設進まず 【11月11日(水)】
政府は、10月26日に、2050年までに温暖化ガス排出量を実質ゼロにする、目標を掲げました。
実現のための柱の一つが、再生可能エネルギーの普及拡大ですが、再生可能エネルギーの本命と期待された、地熱発電の普及が、進んでいません。
太陽光の発電容量は、8年間で8倍に増えましたが、地熱発電は、2割程度の増加にとどまっています。
再生可能エネルギーの普及は、2011年3月の東京電力福島原子力発電所の事故後に、拍車がかかりました。
地熱発電は、太陽光発電や風力発電と異なり、日照時間や風向き、風速に左右されない、貴重な天然資源として期待されました。
日本の潜在的地熱量は、2,300万キロワット(kw)で米国、インドネシアに次ぐ世界第3位です。
しかし、2020年3月時点で太陽光が、5,580万kw、バイオマスが、450万kw、風力が、420万kw導入されたのに対して、地熱発電は、59万kwにとどまります。
地熱発電は、初期の投資費用が大きく、太陽光や風力のように、多数の事業者が、参入できるわけではなく、現在、事業化が検討されているものもありますが、地熱発電所は、全国に数十ヶ所しかありません。
課題として分かってきたのは、日本の地下の形状が、必ずしも地熱発電に適していないことです。
地熱発電は、地下数千メートルから取り出す高温の蒸気や熱水で、タービンを回し、発電を行いますが、重要なのは、高温高圧の水が溜まった、地熱貯留槽です。
日本は、この地熱貯留槽が小さく、大規模な地熱発電所が造れません。
海外では、数十万kw級の地熱発電所がありますが、日本では最大で10万kwです。
日本では、地熱資源の規模が小さいため、1ヶ所の発電量が少なくなるので、発電に必要な掘削費などのコストが、相対的に割高になってしまいます。
また、地熱発電所の有望地は、東北地方や九州に多く、首都圏などの大消費地から遠いことも、難点です。
予想以上にイノベーションが進み、太陽光や風力の発電コストが、下がったことも影響しています。
それでも、地熱発電には、大きな魅力があります。
日本は、地熱発電の技術で世界をリードしていて、インドネシアやアフリカの地熱発電所でも、日本の技術が使われています。
発電設備は、世界の7割のシェアを誇っていて、地熱発電の拡大は、日本企業にとって大きな商機になります。
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