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鉄道大手18社 全社が赤字決算 格付け引き下げも【11月20日(金)】

2021年3月期、鉄道大手の最終損益は、18社すべてが、赤字予想で、赤字額の合計は、1兆2,560億円となる見通しです。


売上高は、18社合計で、前期比、4兆6,429億円(32%)減の約9兆7,967億円に落ち込む見通しです。


最も売上減少額の大きい【9020】JR東日本は、2021年3月期の連結売上高が、前期比、1兆166億円(35%)減の、1兆9,300億円の予想です。


10月の新幹線など、中長距離輸送の収入が、前年の、5割減に落ち込んでいて、通期の最終損益は、4,180億円の赤字の見込みです。


【9022】JR東海も、売上高が、前期比で、9,816億円(53%)減の、8,630億円に落ち込む予想です。


通勤・通学定期券収入の比率の高い、大手私鉄は、比較的、減収幅が小さく、【9001】東武鉄道の売上高は、1,362億円(21%)減の5,176億円、【9042】阪急阪神ホールディングスは、1,876億円(25%)減の5,750億円の予想です。


来期以降も、旅客需要は、完全には戻らないとの見方が強く、各社ともコスト削減を急いでいます。


JR東日本は、今期、賞与の減額や修繕費の先送りなど、固定費を計画より、920億円削減します。


中期的にも、運転本数の削減や、点検自動化などで業務の効率化を図っていきます。


【9005】東急は、緊急で、管理部門の経費を、2割削減する目標を掲げ、【9024】西武ホールディングスも、固定費を、620億円圧縮する計画です。


18社合計の有利子負債は、9月末で前年比、3兆214億円(18%)増加して19兆5,848億円まで膨らみました。


JR東日本は、民営化以降、負債を減らしてきましたが、16年ぶりの水準に、逆戻りしました。


米国の格付け会社、S&P社は、JR東日本長期格付けを、シングルA+に、一段階引き下げました。


資本を厚くするための動きもあり、西武ホールディングスは、優先株発行で、800億円を調達します。


純資産が、コロナ以前の、昨年9月末に比べて、25%減少していました。


株価は、コロナ以前の昨年末に比べて、JR東日本が、34%安、JR東海が、35%安なのに対して、【9007】小田急電鉄が、23.5%高、【9008】京王電鉄 が、16%高と明暗が大きく分かれています。


小田急電鉄京王電鉄は、コロナの影響が比較的小さい、定期券収入の割合が高いことと首都圏近郊の、観光需要回復の期待が、背景にあります。


小田急電鉄京王電鉄は、定期券収入の割合が4割あり、出張や訪日需要の縮小が続く、定期外収入に比べて、打撃が小さいと思われます。

 


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