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減損処理が拡大 8年ぶり規模【12月9日(水)】

上場企業の2020年4~9月期に計上した減損損失は、7,430億円で、4~9月期では、円高不況の、2012年以来、8年ぶりの高水準になりました。


減損処理は、通常、年度末が多いのですが、新型コロナウイルスの感染の長期化は、避けられないと見て、前倒しで、、踏み切る企業が、多かったようです。


減損損失は、設備や土地などの、有形固定資産や、営業権や特許権などの、無形固定資産や、投資有価証券などの価値が低下する場合に、帳簿価格を引き下げる会計上の処理のことを言い、その引き下げ分は、特別損失として計上されます。


減損は、一時的な損失につながる一方で、将来の収益性を高める側面があります。


【6752】パナソニックの電池や携帯電話の減損が膨らんだ、2012年4~9月期の7,703億円に次ぐ規模になりました。


今年上半期は、航空機需要が低迷し、航空関連企業に、減損損失が目立ちました。


【3402】東レは、機体の材料の炭素繊維を供給する、米国子会社などで256億円の減損損失を計上し、前年同期比、91%の減益となりました。


【5486】日立金属は、ジェットエンジン向け事業で、245億円の減損処理をし、【7011】三菱重工業は、カナダのボンバルディア社から買収した、小型旅客機事業に関する、のれんを減損処理しました。


【8053】住友商事が、ニッケル鉱山で、800億円、【7211】三菱自動車は、生産設備などで、1,000億円減損を計上するなど、構造改革を伴う、減損処理も広がりました。


鉄道やホテルでも減損が目立ちました。


【2801】キッコーマンは、ホテルやレストラン向けの需要の低迷が、長引くとの判断でワインの製造設備を、減損処理しました。


日本公認会計士協会は、コロナ禍で、減損の先送りなど、弾力的な運用を、認めていましたが、企業は、コロナ感染の長期化は避けられないとみて、コロナ収束後の収益をにらんだ動きを、始めました。


業績の好調な企業の減損も目立ちます。


4~9月期で、純利益が、39%増益の【9831】ヤマダホールディングスは、不採算店舗の固定資産で、119億円の減損を、計上しました。


純利益が、前期比、2倍になった【9101】日本郵船は、ばら積み船などで、83億円の減損処理をしました。


海運会社は、事業環境は好調ですが、コロナ禍でも、利益の出ている間に、高コスト船を一掃する狙いがあります。


東京都が、飲食店の営業時間短縮を、要請するなど、コロナ感染の影響が、長引く中、収益の回復が、見通せない企業は多く、2021年3月期も、減損損失は、膨らむ見通しです。


【9202】ANAホールディングスは、航空機の退役などで、730億円の減損損失を計上する予定です。

 


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