【公式】スナップアップ投資顧問ブログ

日本株式の専門家スナップアップ投資顧問の公式ブログ

「物言わぬ株主」が「物言う株主」へ 生命保険会社 【12月23日(水)】

物言わぬ株主と批判されてきた、大手生命保険会社に、変化が見られます。


今年の株主総会で、第一生命保険は、会社議案に対する、反対率が前年比、4%増えて、17%に達しました。


日本生命保険は、独立性の高い、社外取締役の選任を、要求し、6割の企業が、これを受け入れました。


生命保険会社は、保険料の運用先として、多くの株式を保有しています。


生命保険業界全体で、18兆円保有していて、多くの上場企業の大株主になっていますが、株主総会で、会社側の議案に反対することは、少なく、企業に配慮しているのではとの批判が多くありました。


第一生命保険の反対率は、最高を更新しました。


同社は、社外取締役の基準を設け、満たない場合は、原則、役員の再選など議案に反対する規程を、設けました。


今年、大手機関投資家は、コロナ禍で、配当などの、議決権行使の基準を緩めましたが、政府が進める、企業統治改革の柱である、独立社外取締役の選任に関しては、厳しい態度で臨みました。


それでも、日本生命は、配当性向が15%以下の105社に、増配などを求め、61社が応じたとのことです。


日本生命保険は、メインバンク出身者など、名ばかりになりかねない、社外取締役の改善を要求し、要求した、87社中、54社が応じたそうです。


2021年の株主総会向けて、第一生命保険は、経営の改善を求め、250社と対話する計画だそうです。


日本生命保険は、社外取締役関連で41社、業績不振企業226社に、改革を促すそうです。


生命保険会社が、投資先企業に圧力を強めるのは、ESG投資(環境、社会、企業統治)の浸透が、背景にあります。


金融庁は、3月に機関投資家の行動指針を改定し、ESG関連の規定を、強化しました。


明治生命保険と住友生命保険も、物言わぬ株主からの脱却をを図っています。


今後の課題は、富国生命保険太陽生命保険、大同生命保険朝日生命保険などの、中堅生命保険会社の反対率が、1%程度に、とどまることです。


生命保険会社が、一体となって、議決権行使基準の充実を図ることが、日本企業全体の企業統治の進展のカギを握ると思われます。

 


※無料で銘柄相談も承っております。
※有力な情報配信も行っておりますので下記URLよりご確認ください。

https://snap-up.jp/