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日本が世界初の水素戦略・関連特許出願首位 【5月11日(火)】

カーボンゼロのキーワードは、水素です。


1月に、豪州のビクトリア州で、褐炭を乾燥させて砕き、酸素を注入する水素製造が、始まりました。


1日当たり、2トンの褐炭から、70㎏の水素ができます。


年内には、セ氏-253度で、液化した水素を、専用船で、日本に運びます。

製造、液化した、水素を海上で、大量輸送する供給網をつくるのは、世界初だそうです。


2030年代に商用化した後は、水素製造時に発生するCO2を、80㎞沖の海底に埋めます。


脱炭素の王道は、太陽光や、風力などの再生可能エネルギーと言われていますが、大型飛行機は電気で、飛ばすのは難しく、高温で鉄鉱石を溶かす、高炉は、電気では動きません。


水素は、燃やせば、ロケットを飛ばすほどのエネルギーを生み、CO2も出しません。


カーボンゼロのカギとなります。


水素は、製造方法により、色分けされています。


石炭や、天然ガスから取り出すと「グレー」。


今、流通している、工業用水素の99%は「グレー」ですが、製造時にCO2が発生し、削減は、できません。


豪州の例のように、化石燃料由来でも、製造過程で、CO2を回収すれば「ブルー」。


CO2を出さない、再生エネルギーの電気で、水を分解して製造すれば「グリーン」。


欧州連合(EU)は、グリーンに傾斜します。


2030年までに、水を電気分解する装置に、420億ユーロ(5兆5,000億円)を投じ、年1,000万トン生産します。


現在の製造コストは、ブルーよりも高いのですが、再エネと電解装置の値下がりで、将来は、逆転するとの見方もあります。


資源国のロシア、カナダは、ブルーに前向きで、サウジアラビアや、豪州は、両方を手がけています。


水素を製鉄に使う場合、1㎏=1ドルが、実用化の目安とされますが、現在はブルーが、2~3ドル、グリーが、2~9ドルとまだ高く、採算が合いません。


日本は、2017年に、世界で初めて、水素戦略をまとめ、関連特許の出願数は、首位です。


日本が、世界をリードできるはずですが、EUが、2050年までに、最大4,700億ユーロ(62兆円)を水素に投じるのに比べ、日本は、3,700億円を脱炭素基金から当てますが、余りにも迫力不足です。


大気汚染が深刻だった、1960年代、液化天然ガスは、硫黄や窒素をほぼ含まない、無公害燃料と呼ばれました。


リスクが大きかったのですが、東京ガス東京電力が、共同調達で手を結び、通産省(現経産省)が後押しをする、オールジャパン体制を構築しました。


その結果、世界に先駆けて、供給網を整えて、関連インフラを輸出するまでに成長しました。


日本が、液化天然ガスを輸入してから、半世紀が過ぎました。


水素は、夢の燃料と呼ばれますが、カーボンゼロに向けて、液化天然ガスの時のように、官民一体となった、オールジャパン体制の構築が求められます。

 


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