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洋紙と板紙【5月18日(火)】

「洋紙」と「板紙」の国内生産の格差が鮮明です。


段ボールなどの板紙の伸びに対して、新聞紙、書籍、印刷用紙などの洋紙は、減少が続いています。


新型コロナの感染拡大で、通販向けなどの段ボール需要が、伸びる一方で、テレワークの定着は、印刷用紙などの消費を抑えています。


生活様式の変化で、紙の生産、消費に明暗が、分かれました。


もともと、ネット通販を利用していた人でも、コロナ禍で、利用頻度が、ますます増えた人も多くいます。


2021年3月の段ボール原紙(段ボール箱の素材)の国内出荷は、82万8,000トンで、前年比、5.9%伸びました。


通販向けや、やや持ち直した工業製品向けなどが、堅調でした。


食品や、菓子のパッケージに使われる、白板紙の国内出荷も11万8,000トンで、前年比、1.4%伸びました。


テイクアウト需要が増えたことが、背景にあります。


対照的なのが、洋紙類で、2020年の生産量は、前年比、17%減少の1,120万トンと、大きく落ち込みました。


1988年の現行の統計制度になって、初めて、板紙に生産量を逆転されました。


2010年以降は、洋紙の生産は、減少傾向にありましたが、コロナ禍で拍車がかかりました。


洋紙や、板紙の生産は、かつては、GDPと相関関係が強く見られ、文化のバロメーターと呼ばれていました。


しかし、リーマンショックと、デジタル製品の普及で、2009年頃から、両者の動きに、違いが出てきました。


このような傾向は、コロナ禍で、いっそう進み、テレワークの定着で、オフィスでの印刷用紙などの需要を、押し下げました。


電子決済の導入が進み、紙自体を使う機会も減っています。


半面、段ボールなどの板紙の生産は、GDPの動きと相関関係が続いています。


製紙会社は、構造変化が生じているとして、洋紙事業を縮小し、段ボール事業を、強化する動きが見えます。

 


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