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日本製紙・株価低迷一人負け【6月16日(水)】

【3863】日本製紙の株価が低迷しています。


国内大手4社のうち同社だけが、新型コロナ感染拡大前の2019年末を下回っています。


要因は、海外展開や、ティッシュなど成長分野での出遅れです。


2019年末から株価の騰落率は、最大手【3861】王子ホールディングスが9.5%、家庭紙が強い【3880】大王製紙が21.3%、段ボールの【3941】レンゴーが13.7%上昇しているなか、日本製紙は32.2%下落しています。


時価総額も、1,400億円台で最下位に沈んでいます。


ここ数年の業績は伸び悩んでいます。


主因は売り上げの過半を占める、紙、板紙事業の構造改革の遅れにあります。


資産を利益につなげる力を示す、総資産営業利益率(ROA)が2021年3月期で0.3%で、2009年3月期の1.1%から大幅に悪化しています。


売上高営業利益率が、1.3%から0.4%に低下したことが響きました。


紙、板紙事業の資産規模は、4割圧縮し、売上高に対する減価償却費の比率も下がりましたが、それでも採算が悪化しているのは想定以上に需要が減っているからです。


同社は、基幹設備の抄紙機を止めて、別の工場により小型の抄紙機を新設するなどして需要減に対応してきました。


しかし、さらなる需要の減少で稼働率が低迷し、人件費などの固定費率が思うように下がりませんでした。


釧路工場での紙パルプの生産は8月でやめ、石巻工場は2022年5月で閉鎖します。


祖業以外の事業に注力する方針を示していますが、道のりは平たんではありません。


重点分野の段ボールや包装資材は、主戦場の東南アジアで【3861】王子ホールディングスや【3941】レンゴーとの競合が待ち構えます。


新素材開発や紙の多用途展開は、収益化の時期はまだ見通せません。


株価の本格的な回復には、祖業をスリム化した後の具体的な成果が必要となります。

 


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