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トラック業界・運転手不足の懸念 【6月25日(金)】

コロナ感染拡大による緊急事態宣言が出る度に、トラック運賃が下落しています。


食料品などを運ぶ仕事が減り、収入が減った運転手の中には、料理の宅配など、ギグワーク(短時間だけ働き、継続した雇用関係のない働き方)に転じる人も出てきました。


ドライバー確保のため、近年引き上げてきた運賃の下落は、たやすく人材が流出してしまう、物流業界の脆弱さを浮かび上がらせます。


小型トラックの運転手が、ウーバーイーツの配達員に転職したケースが出てきました。


パートドライバーの常用雇用指数は4月は、94.1と前年同月比、6.9ポイント下落しています。


一方、配達飲食サービスの常用雇用指数は、139.4と、前年同月比、5ポイント上昇しています。


ギグワーク人気と関係があると思われます。


2017年頃の、宅配クライシスの際は、パート・アルバイトのトラック運転手が物流網を支えた側面がありましたが、今回は、逆に、運転手のギグワーカーへの転出が物流網を痛める構図となりつつあります。


企業間輸送に使う、トラック運賃が、10ヶ月ぶりの低水準に落ち込んでいます。


ワクチンの接種開始で、経済は正常化に動き出しましたが、トラックの輸送量の回復は、遅れています。


東京発大阪行、貸し切りトラックのチャーター料金が、10トン車で、片道8~9万円程度で、2021年に入って、3%値下がりしていて、上昇する兆しはありません。


荷動きは、徐々に、回復傾向にありましたが、緊急事態宣言の再発令で、外食向けの輸送が落ち込みました。


物流業者の85%が、車両数30台以下の中小事業者で、飲食業、小売業や、建設業向けなどでの荷動きの低迷が続く中、目先の売り上げの確保のために、運賃の値下げを受け入れる業者が相次いでいます。


運賃の下落は、ドライバーの給与などの待遇に直結します。


ドライバーと言えばかつては、年収1,000万円も可能な、人気職業でしたが、近年は、長時間労働が認められず、年間所得は、全産業の平均、501万円より、1~2割低くなっています。


昨年6月以降、ウーバーなど宅配関連への人材流出が目立っています。


運賃の下落は、ドライバーの流出という負の連鎖を起こし、物流網が再び、クライシスに陥りかねません。


コロナワクチンの接種が進めば、経済は、正常化に向かうと思われますがが、運転手の減少で、モノが運べない時代が、やってくる可能性があります。

 


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