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鶏卵の卸値・年初から2倍に 【7月12日(月)】

鶏卵の卸値が、7年半ぶりの高値をつけました。


新型コロナ禍で、内食需要が伸びたところに、鳥インフルエンザの感染拡大で、鶏卵の供給の減少が、重なりました。


物価の優等生と呼ばれる、タマゴですが、供給サイドの弱点が、あらわになっています。


鶏卵卸値の指標である、JA全農卵の東京市場の卸値は、7月上旬時点で、Mサイズが、1キロ250円です。


6月下旬には、1キロ260円と、2013年12月以来の高値をつけていました。


昨春のコロナウイルス感染拡大で、卵相場は下落しました。


外食や土産・贈答用菓子などの業務用需要が減少したためで、今年の初めには、1キロ120円まで、落ち込みました。


しかし、内食需要の増加と、鳥インフルエンザによる、採卵鶏の大量の殺処分で、需給が、ひっ迫すると、底値から2倍以上に急上昇しました。


記録的な高値の背景には、需要と供給、それぞれに理由があります。


需要面では、近年の健康意識の変化による、家庭での卵志向です。


卵は、コレステロールを多く含むため、長く、1日1個までとされていましたが、健康な人は、特に、気にしなくてもよいと知られるようになりました。


2015年には、厚労省が、食事摂取基準で、コレステロールの上限値を撤廃しました。


卵は、2個で、1日のたんぱく質必要量の、3割を摂取できるので、プロテインブームにも乗りました。


供給面では、生産者の大規模化があります。


卵が、物価の優等生と呼ばれる所以は、店頭価格の安定にあります。


食料の消費者物価指数は、1970年を、1とすると、2020年は、3.48ですが、対する卵は、1.64にとどまっています。


年々上昇する、生産コストを吸収して、安く供給するために、生産の大規模化が、進められました。


鶏卵農家1戸あたりの飼養羽数は、2019年には6万6,900羽と、2000年の2.3倍に増えています。


一方で、養鶏農家数は、2019年に、2,120戸と、2000年の半分以下に減っています。


農家の大規模化で、有事が生じた時のインパクトが、大きくなりました。


2019年の台風による、千葉県の大規模停電で、大量の採卵鶏が酸欠死した際には、東京市場の卸値は、1.4倍に跳ね上がりました。


今回の鳥インフルエンザによる殺処分数は、987万羽と過去最多で、急速に供給不足に陥りました。


大規模経営は、メリットも大きいが、産地被害のリスクなどもつきまといます。

 


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