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バイク販売好調も供給不足【8月26日(木)】

国内のバイク販売が活況です。


今年上期の原付き(排気量50cc以下)を除く出荷台数は、前年同期比で3割増となりました。


【7267】ホンダが2020年6月に出荷を始めた「CT125・ハンターカブ」は、配達や出前など業務用途で知られる、スーパーカブシリーズのなかで、林道など未舗装道路でも乗りやすくしたバイクです。


今年5月までの1年間で、計画の8,000台を上回る、1万4,000台を出荷しました。


足元では、6月800台、7月は、1,600台を出荷しましたが、需要に供給が追いつかず、次の入荷は12月頃になるそうです。


日本自動車工業会によると、原付を除くバイクの2021年1~6月の国内出荷台数は、前年同期比、3割増の12万4,590台で、13年ぶりに上期で10万台を超えました。


レジャーでも使える大排気量バイクが、コロナ禍でのアウトドアブームなどの追い風を受けています。


国内のバイク市場は、1990年代初頭に年間40万台を超えていましたが、排ガス規制などの強化で、2009年には12万5,000台まで減少しました。


その後は徐々に回復し、コロナ禍で急増しました。


特に、各社がバイク市場の主戦場である、アジア諸国で開発、生産した世界戦略車が売れています。


ホンダのハンターカブはその典型です。


ホンダのバイク事業は、販売台数で、日本以外のアジアが9割近くを占め、シェア8割のタイでは、1997年から研究開発、生産拠点としての役割を強めてきました。


ホンダは他にも、インドで開発したモデルを、日本仕様にした排気量348ccの「GB350」を4月に発売しました。


昔ながらのデザインが受け、7月までに、年間販売計画4,500台を上回る、5,000台を受注しました。


【7272】ヤマハ発動機も、インドネシアで世界戦略車を生産しています。


2015年にインドネシアで販売を始めたスクーター「NMAX」は、約15ヶ国で展開し、日本でも125ccの主力製品となりました。


しかし、コロナ禍での活況はサプライチェーンのリスクを表面化させました。


新型コロナの再拡大で、一部部品の調達が遅延し、世界的なコンテナ不足が重なり、供給が大幅に遅れています。


部品の調達先を変更したり、輸送を船便から航空便に変更したりして対応に追われていますが、商品がなく売れるのに売れない状態が続いています。


供給遅延がさらに長期化すれば、機会損失が拡大して、久々の活況に水を差しかねません。


今後は、脱炭素への対応が課題となります。


東京都は、2035年までに、都内の新車バイク販売で、ガソリン車をゼロにすると表明しています。


国の方針は未定ですが、この流れは加速しています。


ヤマハ発動機は、7月にバイクの電気自動車比率を、2035年までに20%、2050年には、90%にする計画です。


ホンダも宅配向け業務用バイクなどから、EV化を進めています。


現在ホンダは、国内で3車種、ヤマハ発動機は1車種、EV車を販売しています。


EV化には、電池の調達が課題となります。


四輪メーカーに比べて、規模の小さいバイク各社は、電池の調達力で劣ります。


今年3月にホンダ、ヤマハ発動機、【7269】スズキ、【7012】川崎重工業の国内バイク4社は、電池の仕様を、共通化することに同意しています。


共同調達も視野に入れるなど、国内販売の活況を一過性で終わらせずに、EV化という難題につなげることが求められます。

 


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