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プライム市場・地方銀行の判断が焦点 【9月15日(水)】

2022年4月の東京証券取引所の市場再編で、9月1日から、新市場の選択申請が始まりました。


地方銀行の判断に、注目が集まります。


約8割の地銀が最上位の「プライム市場」の基準を満たしているようですが、プライムでは、企業統治や、気候変動への対応では高度な情報開示が求められます。


東証の市場区分は、現在の1部、2部、マザーズジャスダックの4つから、2022年4月にプライム、スタンダード、グロースの3つに再編されます。


上場地銀は、現在、全て1部に上場していますが、そのままプライムに移行できるかが焦点です。


各市場には、上場基準があり、東証は、6月末を基準にした新市場への適合状況を判定し、7月に各企業に通知しました。


東証は、1部上場約2,190社のうち、約3割がプライムの基準に満たなかったとしています。


上場72行のうち、50行強の地銀は、基準を満たしているようです。


プライムに上場するには、投資家が、市場で売買できる流通株式が、焦点となります。


流通株が、時価総額で100億円以上、発行株の35%以上が求められます。


持ち合い株は、原則、流通株として認められません。


そもそも、発行済み株式数の時価総額が、100億円を下回る地銀は、プライムには移行できません。


6月末時点では、【7150】島根銀行、【8562】福島銀行、【8563】大東銀行の3行は、100億円未満でした。


経過措置で、基準を満たさなくても、改善に向けた計画書を、12月30日までに開示すれば、当面プライムに上場できるとしています。


9月6日時点で、計画書を開示した地銀はありません。


上場基準を満たしていても、プライムに移行するかは、別の判断です。


超低金利で、経営環境は上向かず、人材が限られる地銀にとっては、高度な情報開示や、企業統治は重荷となります。


6月に改訂された、コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)では、気候変動が企業に与える影響を明らかにするため、「気候関連財務情報開示タスクフォース」提言に基づくデータの収集や分析を求めています。


ある地銀の幹部は、自行だけでそろえるのは難しく、一部は外部機関に委託するしかないと漏らしています。


開示書類を英語で記載したり、社外取締役の比率を三分の一以上にする必要もあります。


基準は、一段と厳しくなる可能性があり、ついていけるか不安があるとの地銀関係者の声もあります。


東証一部」の看板は、地方において、中核的存在として、威厳を示したい地銀に、重みをもたらしてきました。


地元の優秀な学生を集めるうえでも、重視する地銀も多くあります。


しかし、体面にこだわり、身の丈を超えた負担を抱え込むなら、本末転倒です。


地銀にとって、新市場の選択は、地域経済とどう向き合うかという、本質的な問いを突き付けます。

 


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