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香辛料の取引価格が高騰 【10月25日(月)】

スパイスやハーブの取引価格が、高騰しています。


産地での天候不順に加え、コロナ感染拡大に伴う人手不足が影響し、供給が減っています。


コンテナ不足で、海上運賃が高いことも一因です。


値上がりが目立つのは、中国産の香辛料です。


代表的な香辛料の唐辛子は、日本でよく使う辛みの強い、天鷹系の取引価格が、2019年に比べて1.5倍になっています。


2019年には、1キロ1,000~1,200円程度でしたが、今年の新物は、1,500~1,800円程度になりそうです。


中国で生産量が減ったことが主因です。


米中貿易摩擦による、養豚数の拡大方針を背景に、飼料のトウモロコシなどに優遇政策を取り、唐辛子の栽培面積が、全品種で、昨年より5~20%減りました。


中国各地で、大規模な水害があったことも一因で、産地である河南省の被害は、深刻だと言います。


コロナ禍での収穫時の人出不足や、港湾物流の混乱、コンテナ不足の影響による海上運賃の高止まりなどで、輸入価格はさらに上昇する可能性があります。


日本で近年ブームになった花椒も、1キロ2,000~2,200円と、10年前の2倍を超す水準になっています。


中国では、所得水準の向上で、火鍋がブームになり、一般家庭でも、花椒が使われるようになりました。


日本でも、カレーやラーメンなどに使う新しい香辛料として定着、需要は堅調です。


中華香辛料の八角は、昔から免疫力を高める生薬として使われていますが、中国ではコロナ対策として、需要が増えました。


一方で、天候不順で生産が減り、コロナ前の1キロ1,500円程度が、4,000円まで上昇しています。


コショウは、3年ぶりの高値圏にあり、黒コショウ、白コショウが、2019年比、1.7~2倍になっています。


最大産地のベトナムで、価格の低迷から、農場を放棄する農家が増え、生産量が急減しています。


ハーブでは、煮込み料理に使うタイムが、主要生産国のモロッコで、収穫時に外国人労働者が集まらずに収量が減りました。


取引価格は、コロナ前の2019年秋に比べ、1キロ2,000~2,500円と2倍になりました。


2020年の国内のスパイス市場は、821億円と前年比15%増加しました。


原料高は、スパイス各社の調達コストを押し上げますが、小瓶などで少量販売する商品への価格転嫁は簡単ではありません。


緊急事態宣言の解除で、ホテルなどの業務用の需要も増えてきました。


需要は底堅いのですが、商品価格への転嫁は難しく、スパイスメーカーの収益を圧迫しそうです。

 


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