【公式】スナップアップ投資顧問ブログ

日本株式の専門家スナップアップ投資顧問の公式ブログ

中国恒大・デフォルトをいったん回避 【10月26日(火)】

中国不動産大手の中国恒大集団が、10月23日期限の米ドル債利払いを実施し、債務不履行(デフォルト)をいったんは、回避できる見通しとなりました。


中国の住宅販売は、急減していて、中国恒大など、中国不動産会社の資金繰り難は続き、危機脱却は遠いと思われます。


米ドル債の信用収縮は、人民元債市場にも波及し、10月の発行額は、前年比6割減っています。


中国メディアは、中国恒大が、10月21日、受託者である、米シティバンクに米ドル債の利息8,350万ドル(約96億円)を送金したと報じました。


22日の香港市場で、中国恒大株は、一時8%近く上昇する場面がありました。


国内投資家優先だった中国恒大が、ドル債の利払いを実施した背景は、市場の混乱や社会不安の高まりを避けたい、中国政府の意向があると思われます。


政府は、一部大企業のデフォルトリスクを、適切に処理すると述べ、問題解決を示唆する発言をしています。


新華社通信も21日に、安定した経済運営には、最低、金融の安定が必要であるとの見解を公表しています。


中国人民銀行(中央銀行)は、金融機関に対して、安定的で秩序だった不動産融資を続けるよう指導したと明らかにしています。


今回、中国の金融機関が、中国恒大に資金を融資した可能性があります。


米ドル債市場では、中国の不動産会社は、事実上締め出され、10月の発行は、1本のみです。


住宅販売も冷え込み、10月1~17日の新築住宅販売戸数は、コロナ前の2019年に比べて、年率14.5%減少しました。


中国恒大の危機が続く状況はかわらず、来週には、9月29日に見送った分の利払い(4,750万ドル)の猶予期限が切れ、来年には元本の返済が相次ぎます。


中国恒大は、10年以内に不動産から新エネルギー自動車企業への転身を完成させるとの方針を明らかにしています。


しかし、1兆9,665億元にのぼる負債問題の解決には、抜本的な資産、負債の整理が必要で、中国政府が、時間をかけて、ソフトランディングさせるのではないかとの見方が多いようです。

 


※無料で銘柄相談も承っております。
※有力な情報配信も行っておりますので下記URLよりご確認ください。

https://snap-up.jp/