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医療・人口知能(AI)普及に壁 【11月1日(月)】

医療分野で、人工知能(AI)を使ったソフトウェアの普及が、規制によって阻まれています。


政府の規制改革会議は、ソフトの審査、承認の仕組みを改善するように、厚生労働省に要求しました。


医師が病気を見つけ出すのを支援するために、AIなどを活用したソフトは、次々と生まれています。


日本には、光学分野に強みを持つ企業が多く、画像診断ソフトの開発が進んでいます。


患者の胸部のX線画像から、疾患の影を見つけるのは医師の仕事ですが、その影を自動検出するソフトがあります。


大腸内を映した内視鏡の画像から、腫瘍かどうか、将来悪性になるかどうかを予測するソフトもあります。


腫瘍などだけではなく、うつ病に使えるソフトもあります。


しかし、日本では、承認されるまでに、時間がかかりすぎます。


日本での承認件数は、これまでに、20件程度で、米国の六分の一以下、韓国の47件の半分以下しかありません。


申請しても、審査開始まで2~3ヶ月待たされるケースが多く、審査にも、さらに数か月かかります。


承認されても、ソフトをアップデートするたびに、再審査が必要となります。


米国や韓国には、アップデートに伴う再審査はありません。


審査する厚労省にも事情はありますが、日本は過度に厳しすぎると、問題視されています。


医薬品、医療機器の審査や、安全対策を行う、医薬品医療機器総合機構(PMDA)には1,000人近い職員がいるものの、ITに通じた人材は限られ、最先端のソフトウェアを審査できる人間は、さらに少ないと見られます。


政府の規制改革会議は、10月25日、審査の迅速化のほか、AIに精通した人材の確保、アップデート時の再審査の廃止などを厚労省に要求しました。


AIを活用したソフトは、画像の診断を繰り返し、診断性能を向上させていきます。


そのため、審査に時間がかかりすぎると、高頻度のアップデートが難しくなります。


日本で、審査に時間がかかり、利用機会が失われる一方で、海外で利用が増えて学習効果が高まり、診断性能が高まれば、日本製品が、イノベーションから取り残される懸念が出てきます。


審査体制が、従来型の医薬品や医療機器を前提にしている点も、問題があります。


ソフトに対しても厚労省は、責任技術者の実地管理を要求しています。


ソフトの開発を手がけるプロジェクトリーダーは、事業所に出勤しなくてはならず、外国居住者を活用できないため、ITに強いインドの技術者などとの連携も難しくなります。


AIソフトの活用は、医療の質を高め、日本企業の競争力を高めるカギとなります。


日本の医療の質や産業競争力を低下させないためにも、ITに対応した体制への改革を急ぐ必要があります。

 


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