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地域再生・野生鳥獣肉「ジビエ」が注目 【12月15日(水)】

ジビエとよばれる、野生の鳥獣の肉を食用にする動きが広がっています。


2020年度の生産量は、1,810トンと、2016年度比1.4倍になりました。


健康食としての人気の高まりに加え、食肉を処理できる施設も増えて、消費者との距離が縮まってきました。


年間販売額は、40億円弱ですが、地域の取り組みなどで価値が高まれば、牛、豚、鶏に続く身近な食材になる可能性があります。


ジビエが注目されるのは、鳥獣による農作物被害が背景にあります。


2020年度の獣害被害額は、161億円、うち、シカとイノシシが100億円を占めます。


シカとイノシシの捕獲数は、135万頭と10年間で6割増えましたが、ジビエとしての利用率は、9%止まりです。


農林水産省は、2025年度の利用量を、2019年度の2倍の4,000トンにする目標を掲げています。


2016~20年度のジビエの利用量は、8,617トンで、地域別では、エゾシカが生息する北海道が3,611トンと突出しています。


2位は、イノシシ肉のぼたん鍋が有名な兵庫県の844トンで、以下、長野県、鳥取県広島県と続きます。


東日本の10県は、福島第一原発事故の影響で、出荷制限が続いています。


北海道では、2006年に全国に先駆けて、衛生処理マニュアルを作成、2020年度のジビエ利用率は、22.5%と2017年比、4.9ポイント増えました。


道内のエゾシカの3割以上を処理している、エゾシカ食肉事業協同組合は、生け捕りにしたシカの一時的飼育に取り組んでいます。


需要に応じた供給が可能になり、大手スーパーでも通年販売しています。


鳥取県では、2020年度に食肉処理した、シカとイノシシは、約3,700頭で、2016年度比で倍増しました。


2012年、狩猟者、処理業者、飲食店などが幅広く手を組む「いなばのジビエ推進協議会」を発足させ、新商品の開発、ハンター育成など、行政を巻き込んだ連携の成果が出ています。


千葉県は、「房総ジビエ」の名で、ブランド化を進めています。


ジビエ料理を提供する店の周知や、レシピの紹介に力を入れ、飲食店によるジビエ料理コンテストなどのイベント開催も行っています。


千葉県では、獣害による農作物の被害が、2020年度で2億6,000万円に上り、捕獲した野生動物を処分するだけでなく、ジビエという新たな資源として生かしたい考えです。


野生の鳥獣を精肉するには、捕獲後、2時間以内に処理施設に運ぶことが適切とされますが、国内の施設は、2020年度で、691か所と少なく、施設から捕獲地が遠い場合も多く、利用率が低迷する一因となっています。


日本ジビエ振興協会などが開発した移動式の解体処理車「ジビエカー」をいち早く導入した高知県梼原町では、食肉処理した1,184頭の内、14%にあたる165頭をジビエカーで処理しました。


2018年には、農水省が食肉処理施設向けに「国産ジビエ認証制度」を始め、衛生管理が厳しい外食チェーンも使いやすくなりました。


今後は、安定供給の仕組みづくりなどが課題となります。

 


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