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砂糖の値段・1985年以来の高値 【1月20日(木)】

砂糖の卸値が、37年ぶりの高値となっています。


原料糖(粗糖)の輸入コストの高止まりで、製糖各社は、昨年12月に年内3回目の値上げに踏み切りました。


度重なる値上げで、特約店(問屋)や商社と菓子メーカーなどの需要家との価格交渉は、難航しましたが、需要家が製品価格への転嫁をにらみ、値上げを受け入れました。


家庭で使う上白糖の東京地区の卸値は、現在、1㎏=204~205円と前月比、6円(3%)上昇し、1985年以来の高値となりました。


大阪地区でも同じ値幅で上昇しました。


製糖各社が、原料高などを理由に、昨年3月、7月に続き、12月に行った値上げ分が、卸価格に反映しました。


製糖各社は、2021年に計3回、17円出荷価格を引き上げ、卸値は、東京、大阪ともに9%高くなりました。


粗糖の国際価格は、高止まりしています。


指標となるニューヨーク先物は、最大生産国のブラジルの天候不順などで、2021年11月に、4年9ヶ月ぶりの高値をつけました。


円安や海上運賃の高止まりも、輸入コストを押し上げました。


度重なる値上げで菓子メーカーなどの需要家との交渉は難航しました。


需要家側に、収益の悪化懸念が強まったためです。


砂糖が高騰すると、需要家は、割安な異性化糖(とうもろこしや馬鈴薯などのデンプンが原料)などで代替して、コスト高を吸収することが多いのですが、とうもろこしの高騰で、切り替えの余地が少なくなっています。


昨年10月、【2212】山崎製パンが、和洋菓子の価格を平均7%値上げしました。


更に、11月には、食パンと菓子パンも今年1月出荷分から7.3%値上げすると発表しました。


山崎製パンなどの大口需要家が、原材料高の製品への転嫁に動いたのを見て、他の需要家も製品の値上げに踏み切らざる得ないとの姿勢に傾き、砂糖の値上げを受け入れる機運が高まりました。


食品会社が、最終製品価格を値上げする動きは、今後も続きそうです。


製糖各社は、更なる値上げも視野に入れています。


粗糖を調達する際に先物価格に上乗せするプレミアム(割増金)が、日本の輸入の大半を占める、オーストラリア産が、昨年秋に比べ急騰しています。


円相場も一時5年ぶりの円安になるなど、調達コストが高止まりしています。


足元では、世界的にオミクロン型の感染が急拡大しています。


再び、経済活動の不透明感が漂っているなか、砂糖の需要家側は、原材料の更なる上昇に警戒感を強めています。

 


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