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消費の回復進まず・貯蓄率が高止まり 【2月21日(月)】

コロナで縮んだ個人消費の回復が、進んでいません。


2021年の家計調査によると、2人以上の世帯の消費支出は、実質で0.7%増にとどまりました。


勤労世帯の平均貯蓄率は、34.2%と2年連続で35%前後で高止まりしたままです。


堅調な消費が景気をけん引する米国とは異なり、日本では、コロナで抑えられていた需要が盛り返す、リベンジ消費に勢いがありません。


コロナ禍で、2020年に落ち込んだ消費支出が、2021年には、わずかに前年比でプラスになりましたが、2019年と比べれば、実質4.6%減で、コロナ前の水準には回復していません。


可処分所得に対していくら貯蓄に回すかを示す、平均貯蓄率は、2019年の31.4%から2020年は、35.2%に急伸しました。


10万円の特別定額給付金と、消費の手控えが貯蓄率を引き上げた理由ですが、2021年は給付金がなかったのに34.2%でした。


消費支出の実質増減率は、コロナ前に比べて、食事代は27%減、飲食代は76.7%減、パック旅行費は82.3%減で、外食などは前年割れが続いています。


2021年の外食業界の売上高は、2020年比、1%減と2年連続で市場が縮小しました。


コロナ前の2019年比では、17%減でした。


旅行業界も、緊急事態宣言の発令などで、需要が低迷しました。


日本旅行では、国内旅行の予約者数は、2021年1~9月頃までは、前年の3割前後の落ち込みが続きました。


10月以降は回復していましたが、オミクロン型の感染拡大で、先行きは不透明です。


まん延防止等重点措置が延期されれば、春休みの旅行への影響が出かねません。


日本の消費は、欧米に比べ、弱さが目立ちます。


経済協力開発機構(OECD)の見通しでは、2021年の実質個人消費の増加率は、米国が8.0%増、フランスが4.8%増、英国が3.7%増、日本は1.3%増、ドイツが0.8%増です。


米国などでは、リベンジ消費が顕著でしたが、日本では、この傾向は見られませんでした。


内閣府によれば、家計には、コロナ前のトレンドから見て、約40兆円の超過貯蓄があると推測できます。


消費に回る可能性のあったお金が、40兆円使われずに、貯蓄に回されたわけです。


経済活動の制限が長期に続き、2021年は、緊急事態宣言など、何らかの行動制限がかる日が、東京都で1年の7割ありました。


日本では、病床不足など、医療体制の脆弱性もあり、ワクチン接種が普及後も、自粛モードが抜けませんでした。


米国などでは、ワクチン2回接種後は、感染者数が増えても、外出の自粛が広がる傾向は、ほぼありませんでした。


政府や自治体のオミクロン型の感染対策は、以前のデルタ型の感染対策とそれ程変わりがありません。


感染力は強いが、重症化率が低いとされるなか、オミクロン型の特徴に合わせた対策を取らずに、これまでと同じ行動制限を実施すれば、個人消費の低迷は続きかねません。


オミクロン型の感染者が急増し、医療体制のひっ迫懸念が出ています。


そのための対策は必要ですが、一方で、消費の低迷や高止まる貯蓄率を見据えた対策がより強く問われる局面になってきました。

 


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