値上げ・食品など生活必需品に広がる 【2月25日(金)】
エネルギー価格の高騰や、円安を受けた値上げが、食料品や外食などに広がってきました。
生鮮食料品を含む、消費者物価指数(CPI)の上昇率は、携帯電話料金の値下げの影響を除くと、2%に迫ります。
ブリの価格は、前年同月比、28.5%、マグロは16.5%、タコは22.5%上昇しました。
総務省が発表した、1月のCPIの総合指数は小幅上昇にとどまりましたが、個別品目を見れば、インフレの兆しが見えます。
背景にあるのが原油価格の上昇です。
CPIでみたエネルギーは、17.9%上昇し、41年ぶりの伸び率を示しました。
漁船の燃料代が高騰し、魚類の価格を上昇させました。
ハウス栽培の暖房費がかさんだ、イチゴは24.0%高くなりました。
CPIは物価の基調を見るうえで、変動の大きい生鮮食品を除いた総合指数が、注目されますが、同指数は前年同月比、0.2%上昇止まりで、生鮮食品を含む総合指数も0.5%上昇どまりです。
ただ、物価を押し下げている特殊要因があります。
2021年春の携帯大手による、格安プランの導入で、携帯電話の通信料が53.6%下がり、総合指数を1.47ポイント押し下げました。
この要因がなければ、CPIの上昇率は2%に迫っていたことになります。
円安も輸入価格の上昇を通じて、物価を押し上げています。
1月以降、食品の価格転嫁が目立ちます。
CPIでもマヨネーズ、12.9%、調理カレー、12.3%、マーガリン11.2%と大幅な値上げが続きました。
外食も牛丼が9%上がりました。
エネルギーの高騰、円安と並ぶ3つ目の物価高要因は、半導体不足や物流網の停滞などの供給制約です。
メーカーが、思うように部品などを調達できず、物価を押し上げました。
カメラが12.3%上がりました。
キャノン、ニコンなどの大手は、利益を確保するために高級品に絞って生産、2021年秋以降は、低価格商品が品薄気味になっています。
素材などの企業物価指数(従来の卸売物価指数)は、1月に8.6%上昇し、1980年以来の歴史的な水準で高止まりしています。
1月の企業物価指数とCPIの上昇率は8ポイント程度の差があり、今後は、企業の調達コスト高で、CPIに上昇圧力がかかります。
米国では1月のCPIが、7.5%上昇しましたが、日本でも、物価が上昇傾向を強めるかと言えば、不透明感があります。
大きな違いは賃金です。
米国は、1月の平均時給が、前年同月比、5.7%増えましたが、日本の12月の名目賃金は、ほぼ横ばいで上がっていません。
日本は、欧米のように、深刻な人手不足には至っておらず、賃金上昇の兆しは、見られません。
一時的に、物価が上昇しても、消費者の購買力が上がらなければ、持続的な物価の上昇にはつながりません。
企業も価格転嫁に慎重にならざるを得ません。
経済の安定成長につながる、持続的な物価上昇は、需要の拡大が欠かせません。
しかし、日本は、需要が供給力を下回る「需給ギャップ」が2021年7~9月期に、27兆円程度(年率)に達しました。
このため、多くのエコノミストは、中長期にわたって、物価上昇が定着すると見ていません。
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