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「仕組債」の手数料開示へ 【3月14日(月)】

日本証券業協会は、高利回りをうたった「仕組債」を販売する証券会社に対して、投資家が負担するコストの開示を求めます。


「仕組債」はリスクが高く、費用面の実態が不透明だと、金融庁が情報開示を求めていました。


「仕組債」は複雑なデリバティブ(金融派生商品)が組み込まれ、個別株や、株価指数、為替、金利の動きなどによって、償還金が変動する金融商品です。


対象とする指標が、事前に決めた水準を下回る「ノックイン」の状態になると、元本が毀損する恐れが高まります。


今年は、年初から米国ハイテク株が下落したり、ロシアのウクライナ侵攻で、世界の株式市場が大きく揺れた中、投資家の含み損が膨らんでいる可能性があります。


「仕組債」の手数料は、販売価格に盛り込まれ、投資家はいくら手数料を払っているかを意識せずに購入しています。


平均水準は、3~5%とされ、販売会社と商品を組成した金融機関とで分配します。


金利で運用難が続くなか、高い金利をうたう「仕組債」を、多くの個人投資家が購入してきました。


2020年度の主な証券会社と銀行での販売額は、前年度より2割増の4兆3,000億円でした。


日本証券業協会が、証券会社向けにまとめた指針では、販売価格と仕入れ価格の差を提示するなど、販売時の諸経費を含めたコストを記すように例示しています。


「ノックイン」の場合、元本を大幅に毀損する可能性があり、償還時に想定される最大の損失額を、盛り込むよう求めています。


長期の安定的な資産の形成には、不向きであることを記すことも勧めています。


事前に定めた水準を上回る「ノックアウト」の状況となっても問題があります。


元本と利息が早期償還されるため、満期まで持っていれば受け取れるだろう利息が、受け取れなくなります。


償還金を新たな「仕組債」に再投資をすると、また手数料がかかるため、事実上の回転売買との批判もあります。


日本証券業協会は、指針を通じて「仕組債」の情報開示を求めます。


しかし、日本証券業協会の指針には、強制力はなく、各社が、情報開示の是非を決めます。


みずほ証券みずほ銀行は、4月から、SMBC日興証券も今春以降、検討します。


大和証券は、公募型の「仕組債」で開示を予定し、野村證券は、対応を検討中としています。


手数料開示が、近年、「仕組債」の販売が伸びていて、顧客からの苦情も目立つ、地方銀行に広がるかが、焦点となります。


しかし、今回明らかにするのは、「仕組債」を販売する金融機関が受け取る手数料であって、商品を組成する金融機関は対象外です。


金融庁は、組成時のコストも明示するように求めていますが、証券界には強い抵抗感があります。

 


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