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サーモン価格上昇・空輸ルートがロシア迂回 【4月7日(木)】

ロシアのウクライナ侵攻を受けて、水産物の相場や、流通に影響が広がってきました。


輸送コストの上昇で、生サーモンの豊洲市場での卸値は、過去最高水準で推移しています。


3月から入札が始まった助子(タラコ)も上昇基調が続いています。


ウクライナ侵攻が長期化すれば、ロシア産のシェアが高いカニやウニなどへの影響が広がりそうです。


3月上旬、ノルウェーから輸入する生サーモンのセミドレス(現地で内臓を抜いた状態)の卸値が、豊洲市場で、1㎏、2,100円と最高値をつけました。


2月下旬のウクライナ侵攻前の卸値は、1㎏、1,800円程度でしたが、3月下旬時点では2,000円と高値圏にあります。


フィレ(切り身)の卸値もこの間に2,300円から2,500円に上昇しました。


主要な輸入先のノルウェーからの空輸ルートが、これまでのロシア上空を使えなくなり、迂回ルートに切り替えたことでの運送コストの上昇が響いています。


生サーモンは、ウクライナ侵攻以前から養殖魚の生育不良と燃油の高騰で、卸値が上昇基調でしたが、拍車がかかった形です。


千葉県を中心に回転すしを展開する【3075】銚子丸では、ウクライナ侵攻の影響で、休止していたオーロラサーモンの販売を再開しましたが、握り2貫を297円から363円に値上げしました。


当面は数量限定での提供となり、宮城県産の銀ザケなど代替品での提供も続けます。


イオンでは、3月上旬からノルウェー産生サーモンの取扱量が急減しました。


代替品として、青森県産など国産の生サーモンの調達を拡大することで、対応しています。


3月から入札の始まった、助子の入札でも相場が上昇し、前年比、10~15%高い水準となっています。


取引量の多いロシア産の流通が、今後減るのではとの思惑から、買い付ける動きがあったようです。


明太子の原料として、ロシア産の助子が8割を占める福岡のメーカーは、当面の在庫は確保してあるものの、長期化すれは、影響は避けられないと話しています。


農水省によれば、2021年のロシアからの水産物の輸入額は、1,381億円と全水産物の輸入の8.6%を占めます。


このうち、カニは380億円で、ロシア産のシェアが56%、ウニも98億円で、47%に上ります。


ロシアでは、5~7月がカニ漁の最盛期で、今後の状況では、年末向けを調達できない懸念があります。


カナダ産などを代替品として模索しますが、競合が激しく価格が高くなる恐れがあります。


ウニの卸値は、足元では需要の低迷で、安値水準が続いていますが、コロナ感染の収束次第では、価格が上昇したり、品薄になる可能性があります。


ウクライナ侵攻が長期化すれば、消費者も水産物の店頭価格の上昇といった影響を受けざるを得なくなります。

 


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