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中国の台湾進攻シナリオ・ウクライナ侵攻で黄信号 【4月26日(火)】

中国の台湾攻略のシナリオが、練り直しを迫られています。


ロシアによるウクライナ侵攻の長期化を受け、従来の想定よりも、首都台北市の制圧が困難との認識が、広がっています。


ロシア軍が苦戦している現状は、中国共産党内にも、大きな衝撃を与えています。


ロシア軍は、2月24日、ウクライナに北部、南部、東部の3方面から侵攻しました。


ロシアのプーチン大統領は、情報機関の楽観シナリオを信じ、数日間で首都キーウ(キエフ)を制圧し、ゼレンスキー政権を覆す短期決着を想定していたとされます。


実際は、ウクライナ側の激しい抵抗に合い、キーウへの進軍をはかったロシア軍は、押し戻されました。


ロシア軍は、東部、南部の制圧に、作戦を変更することを余儀なくされています。


中国の台湾進攻計画も、短期決着を想定して、練られてきました。


まず、サイバー攻撃で、通信インフラを機能不全にし、短距離弾道ミサイル巡航ミサイルで、防空システムや空軍基地を破壊し、無力化を狙います。


そして、制空権を確保したうえで、海と空から、兵隊や戦略物資を大量に送り込むというものです。


侵攻時に、米国が国内手続きを終え、軍を台湾に送り込むまで、7日間が必要だと想定し、米軍到着前に台北市を制圧することが、作戦の成否を握ります。


しかし、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化で、このシナリオに黄信号がともっているといいます。


台北市の人口は、260万人とキーフとほぼ同じですが、人口密度は3倍近くあります。


そのうえ、人口400万人の新北市が周りを囲んでいます。


上陸作戦が成功したとしても、台北市内への進軍で、相当数の民間人が、巻き添えになるのは避けられません。


民間人の犠牲を抑えようと、慎重に攻撃すれば、米軍の到着を許してしまいます。


台湾軍や市民の抵抗を排除しながら、蔡英文総統を拘束するのは、さらに難しくなります。


台湾海峡は、幅が百数十キロあるうえに、潮流が速い海峡です。


海峡を渡って上陸する作戦に適した時期は、4月や10月など、年に2~3ヶ月しかありません。


台湾軍も、巡航ミサイルや地対空誘導弾パトリオットミサイルなどの配備を急ピッチで進めています。


ウクライナ危機を契機に、海峡をこえる攻撃の難しさが、改めて認識されるようになりました。


3月5日に公表した政府活動報告で、習近平指導部は、「新時代の台湾問題解決の総合的な方策を貫徹する」と初めて書き込みました。


平和統一を軸にしながらも、武力行使の可能性を排除しないと示唆したと、受け止められています。


習近平氏は、秋の共産党大会で、異例の3期目入りが確実視されています。


3期目の任期が切れる2027年までに、台湾進攻を決断するのではとかねてより危険視されています。


今後も、表向きには、強硬姿勢は、維持されると思われますが、台湾進攻シナリオの練り直しが迫られています。


今後の選択として、台湾の武力統一のハードルが高くなった分、中国は、核による軍拡のスピードを加速させる懸念があります。


また、習近平指導部が実績作りのため、台湾が実効支配している東沙諸島の奪還に動くシナリオも捨てきれません。

 


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