2022年3月期決算は、4年ぶりの最高益となりました。
東証プライム上場企業(除く金融)約1,120社対象に集計したところ、2022年3月期に純利益が、首位となったのは【7203】トヨタ自動車(2兆8,501億円、国際会計基準)でした。
2年ぶりの首位返り咲きです。
売上高は、前期比15%増、純利益は、27%増と大幅に伸びました。
純利益は、2018年(2兆4,930億円、米国会計基準)を上回り、4年ぶりの最高益でした。
要因は、3つあります。
まずは、半導体不足で欧米勢が販売を減らすなか、世界販売台数を5%増やしたことです。
【6902】デンソーや【8015】豊田通商など、系列の調達網の強みを生かしました。
二つ目は、円安で、平均為替レートが112円と、前期より6円の円安となり、利益を6,100億円押し上げました。
三つめは、金融事業が好調だったことです。
米国で新車の供給不足を受けて、中古車価格が上昇し、顧客からリース返却を受けた車両の売却益が伸びました。
自動車では、【7267】ホンダも純利益が7,070億円と8%伸び、9位でした。
海運では、3位に【9101】日本郵船(1兆91億円)、8位に【9104】商船三井(7,088億円)が入りました。
コロナ禍で、海上物流が混乱したところに、米国の経済回復もあって、需要急増が加わり、コンテナ船運賃が、高止まりしました。
大手3社が共同出資する「オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)」が好調でした。
営業外収益の持ち分法投資利益が、7,426億円に膨らみました。
上位には、商社も目立ち、【8058】三菱商事、【8031】三井物産、【8001】伊藤忠商事が10位以内に入っています。
石炭や鉄鉱石の市況が上昇し、資源事業の採算が上向きました。
増益額が、3社合計で1兆7,600億円に上ります。
一方で、最終赤字額が首位となったのは、【9984】ソフトバンクグループでした。
世界的株式市場の変調で、投資先企業の価値が減少し、最終損益は、1兆7,080億円の赤字(前期、4兆9,879億円黒字)に転落しました。
日本企業の赤字額としては、2003年に【8411】みずほフィナンシャルグループが計上した2兆3,771億円に次ぐ大きさです。
赤字額上位には、【9201】日本航空や【9202】ANAホールディングス、JR各社などコロナ対策の人流抑制が直撃した企業が多くあります。
燃料費高騰に見舞われた電力会社も、軒並み赤字に転落しました。
円安も加わり【9506】東北電力は、9期ぶりの最終赤字となりました。
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