国際商品の総合的な値動きを示す、リフィニティブ・コアコモディティーCRB指数が、5月26日、9年8ヶ月ぶりの高値をつけました。
ロシア制裁の影響で、米国の原油在庫が減少して、値上がりしたためです。
中国のロックダウン解除で、非鉄の需要が増えるとの思惑もあり、当面は、高止まりが続くとの見方が多いようです。
5月26日時点のCRB指数は、318.66と、前日比4.09ポイント(1.3%)上がり、2012年9月中旬以来の高値をつけました。
けん引したのはエネルギーです。
CRB指数構成の3割超をニューヨーク市場で取引されるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油や石油製品が占めます。
ロシアのウクライナ侵攻の制裁として、欧米は、ロシア産の使用を避け、米国産原油の引き合いが強まっています。
米エネルギー情報局(EIA)によると、原油在庫量は、この時期としては、8年ぶりの低水準です。
WTI先物は、足元で、1バーレル=114ドル程度と、直近安値の4月中旬から、21%上昇しました。
5月末からは、夏のドライブシーズンが始まります。
在庫の取り崩しが、さらに進むとの観測から、原油や石油製品への買いが、続いています。
全米ガソリン小売価格は、5月23日時点で、1ガロン=4.5ドルを超え、記録の残る1990年以降、最高値で推移しています。
非鉄金属の価格も、持ち直しつつあります。
ロンドン金属取引所(LME)の銅3ヶ月先物は、5月12日の直近安値から、2.9%上昇しました。
アルミニウムも、4.5%高となり、1トン=3,000ドル台回復が近づいています。
背景にあるのは、中国のロックダウン解除に伴う需要回復への期待です。
上海市は、5月6日、6月にロックダウンを解除する方針を表明しています。
ロックダウンに伴う、部品調達網の混乱から、大手自動車メーカーは、一時生産停止していましたが、生産が再開すれば、銅やアルミの需要が回復するとの思惑が、市場にはあります。
CRB指数は、米原油先物が、史上初のマイナスに沈んだ、2020年4月下旬以降、ほぼ右肩上がりの上昇が続いています。
米連邦準備理事会(FOMC)は、インフレ抑制のため金融引き締め姿勢を強めていますが、供給面から発生するインフレを、金融政策で制御することは困難だと思われます。
当面のCRB指数は、足元と同水準か、一段高をうかがう可能性が強いとの見方が強く、インフレに拍車がかかる可能性があります。
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