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農家の栽培コスト上昇・肥料大幅高 【6月8日(水)】

全国農業協同組合連合会(JA全農)が、肥料の大幅値上げを表明しました。


野菜農家らの栽培コストが上がり、野菜の価格には、上昇圧力となり、農家と家計の負担のバランスが、難しそうです。


価格転嫁が、進まなければ、生産者の作付意欲が、低下する可能性があります。


キャベツを大きく育てるには、リン酸の含有率が高い肥料を多く使う必要があり、費用の負担が大きくなるため、今回の肥料の値上がりは、キャベツ農家にとっては、頭痛の種です。


JA全農が5月末に発表した、地方JAに販売する6~8月の価格は、葉などの成長を促す尿素肥料は、輸入原料から作る製品は、前期(2021年11月~2022年5月)に比べ94%上昇します。


尿素の主要供給国のロシアが、ウクライナに侵攻したあおりを受け、尿素の国際価格が急騰したことが響いています。


塩化カリウム肥料も同80%、高度化成肥料が同55%値上がりし、大半の肥料は、過去最高値となります。


農家では、肥料以外の燃料費・資材費の高騰も、経営を圧迫しています。


採算を改善するには、出荷価格を引き上げたいが、足元でどこまで転嫁できるか読みづらい情勢です。


日本農業法人協会が、5月中旬に実施した調査では、足元の農業資材の高騰を、販売価格に転嫁できていないと答えた生産者が、7割を超えています。


理由は、農業者サイドの価格交渉力が弱いことが、最多でした。


宮城県でキュウリをハウス栽培する農家は、「キュウリは、全国で作られているので、値段を上げたら、他の産地に替えられてしまう。」と打ち明けます。


産地から、都市部に出荷される野菜の大半は、元々、豊作で出荷が増えたり、需要が、低迷すれば、価格は、下落しやすくなっています。


価格は、需給のバランスで大きく変動し、生産コストは、考慮されにくい場合が多く、さらに、コロナ禍による外食自粛で、業務用の需要が鈍いことも、生産者側には、向かい風となっています。


ネギやダイコンを外食店向けに契約栽培する農家では、「高品質の農産物の栽培には、肥料が欠かせない。肥料は、営農費の2割を占めるが、今後は、その比重が高まる。価格に転嫁することに理解を求めたいが・・。」と話します。


肥料価格の上昇分の農産物価格への転嫁が進まなければ、作付けを減らしたり、営農をやめたりする農家が増える恐れがあります。


その結果、農産物の流通量が減少し、消費者が、負担を強いられる可能性があります。


日本農業法人協会の調査では、農家の2割が資材高などを受けて、生産量を「抑制した・抑制する見込み」と回答しています。


高齢農家の中には、今後、採算が悪化するなら、栽培をやめるという人も、出てきています。


今後の農産物の自給率を高める上でも、肥料の高騰は重い課題を投げかけます。

 


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