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欧州天然ガス・価格再び高騰 【8月24日(水)】

欧州で、天然ガスの価格が、再び高騰しています。


ロシアのウクライナ侵攻直後の過去最高値に迫っています。


欧州天然ガスの指標価格である、オランダTTF(9月物)は、8月16日に1メガワット時250ユーロまで上がりました。


翌月受渡しとしては3月8日以来、5ヶ月ぶりの高さです。


40ユーロ台だった1年前の5倍以上です。


ウクライナ侵攻後、瞬間的に300ユーロ超に跳ね上がったあと、6月半ばにかけて、80ユーロ前後に落ち着いていました。


再び騰勢を強めたのは、ロシア国営ガスプロムが、ドイツと結ぶパイプライン「ノルドストリーム」での供給を大きく絞ったためです。


ガスプロムは、6月中旬、ガス流量を従来計画より6割減らしました。


7月には、設備の定期点検でゼロになりましたが、再開後は、6割減で供給していました。


その後、別の設備点検が必要との理由で、8割減に落としました。


ウクライナ侵攻直後の3月の上昇局面は、一時的で長続きしませんでしたが、今回の上昇局面は、既に2ヶ月続いています。


欧州のガス価格は、平時であれば、夏は比較的安く、需要時の冬に高くなります。


ロシアが供給を絞り、季節外れの上昇が、事態の深刻さを映します。


景気低迷する中国のガス需要が鈍ったことで、液化天然ガス(LNG)が、国際市場に出回り、欧州各国は、ガス在庫をある程度は確保しています。


しかし、ここにきて、熱波やガス以外の電源の出力低下が懸念され、ガス需要が高まるとの見方が出てきました。


ドイツでは、ライン川での石炭輸送が停滞し、火力発電の稼働率低下が、懸念されています。


フランスでも、原発発電容量のうち、現在利用できる施設は、半分以下になっています。


定期検査などで停止が予定されていたところに、河川での水温の上昇と水位低下で、原子炉冷却に水の使用制限を迫られています。


こうした懸念を背景に、卸電力価格が高騰しています。


欧州エネルギー取引所の電力先物市場で指標とされるドイツのベースロード電源が連日最高値をつけました。


7月末比で5割高く、1年前の8倍になっています。


エネルギー不足は、企業活動を圧迫します。


ロシアからの流量は、先行きが見通せず、ガス価格は、しばらく神経質な値動きが続きそうです。

 


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