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半導体需要に急ブレーキ【9月28日(水)】

半導体市場の失速が、鮮明になってきました。


主要な半導体メーカーで構成する世界半導体市場統計(WSTS)によると、7月の世界出荷額が32ヶ月ぶりに、前年同月を下回りました。


巣ごもり特需が一巡し、スマホなどの主要市場である中国の景気後退などが重なり、半導体需要に急ブレーキがかかりました。


半導体の景気サイクルは、2018年後半以来の下降局面に入ってきました。


7月の半導体出荷額は、前年同月比1.8%減の444億ドル(約6兆3,600億円)でした。


前年同月を下回るのは、2019年11月以来です。


直近の増加率は、5月が18%、6月が6%と急速に鈍化していました。


半導体製品の在庫調整の幅が広がり、さらに弱含みで推移しているとして、メモリー大手の米国マイクロンテクノロジーは、8月上旬、6~8月の業績見通しを下方修正しました。


これまでの半導体の活況には、需要・供給、両面の要因がありました。


需要面では、高速通信規格「5G」関連のスマホ向けや、通信インフラ向けのニーズが高まっていたところに、新型コロナ禍での巣ごもり需要が加わりました。


供給面では、火災や災害、コロナ禍での工場稼働の制約もあり、半導体は、売り手に優位な事業環境にありました。


しかし、巣ごもり需要が一巡したタイミングで、世界的なインフレ圧力の高まりと、上海のロックダウン(都市封鎖)が冷や水を浴びせました。


中国のスマホ出荷台数は、2022年4~6月期に、前年比、15%減と大きく落ち込みました。


売り手市場だった事業環境も大きく変わりました。


特に、メモリー分野では、在庫が積みあがっていて、価格の下落圧力が強まっています。


データの一時保存に使われる、DRAMの7~9月期の価格が、4~6月期比、10~15%、データの長期保存に使われる、NAND型フラッシュメモリーが、30~35%下落すると推定されます。


半導体各社からは、設備投資計画を見直す動きも出始めています。


投資が下振れすれば、日本勢が強みを持つ半導体製造メーカーなどへの逆風も強くなります。


前回の下降局面の2018年当時より、マクロ環境が悪く、製造装置の需要回復が、遅くなる可能性があります。

 


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