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中国経済鈍化・住宅市場が足を引っ張る【10月31日(月)】

中国経済の回復は鈍く、7~9月の実質経済成長率は、前年同期比3.9%で、年間目標5.5%を下回りました。


混乱する住宅市場が、足を引っ張っています。


河南省鄭州市に住む馬琳さんは、家を買い直せるなら、予約販売の物件は、怖くて買えないと言っています。


予約販売とは、物件の完成前に新築物件を売り出すことで、中国では、ごく一般的な販売方法です。


馬琳さんは、2023年9月引き渡し予定のマンションを、2020年末に、160万元(約3,280万円)で購入しました。


しかし、2021年秋に、開発企業の資金繰り悪化で工事が止まりました。


習近平指導部は、2021年からバブル抑制を狙って、不動産向けの金融規制を強めました。


開発企業が、資金不足になり、建設途中で工事を中断する物件が相次ぎました。


納期遅れも発生し、購入者が抗議のため、住宅ローンの返済拒否の動きが広がりました。


混乱を受け、購入を見送る人が増え、マンション売買の低迷が長引いています。


馬琳さんの住む鄭州市は、混乱の震源地です。


中国全体で、300件を超した返済拒否のうち13%が同市で起きました。


予約販売への不信感が強まり、8月、同市で売れた中古物件は、珍しく新築物を上回りました。


竣工済みの新築物件を選ぶ人も増えています。


地方政府も、竣工後に売り出す物件の開発を促しています。


工事中断による混乱を防ぐとともに、住宅建設に必要な国有地使用権を開発業者に売りたいためです。


需要が中古物件に流れると、地方政府の土地収入が増えません。


北京市が9月に実施した土地入札では、18区画の7割超で、一定割合の戸数を、竣工後に販売しなければいけないとの条件を付けました。


予約販売から、竣工後販売に切り替えると、開発企業の資金コストは、2~3割上がると言われています。


資金調達コストが、国有企業より大幅に高い民間企業には、不利になります。


実際、北京の入札でも、落札企業のうち民間企業は、1社だけでした。


不動産業は、製造業やIT企業と並び、民間の参入が進んだ分野です。


そこでも、国有企業がシェアを高める「国進民退」が起きれば、中国経済の活力は、さらに失われることになると思われます。

 

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