運用会社がファンドラップ市場に向かう背景には、アクティブ型の日本株投信の苦戦があります。
個人の人気を集めるのは、米国株や世界株に投資するファンドで、9月の投信の資金流入額ランキングで、アクティブ型日本株投信は、上位20位のうち一つしかありません。
過去5年で、S&P500種株価指数は、4割以上上昇したのに対し、日経平均株価の上昇は2割にとどまります。
高い成長力が期待できる、米国株投信に人気が集まっています。
アクティブ型の日本株投信は、運用コストにあたる、信託報酬が年1.2~1.7%と高いことも人気が落ちている一因です。
運用会社は、投信の販売を証券会社などに任せていては、顧客のニーズに答えられないという危機感があります。
投信は「製販分離」が主流で、運用会社は投資家が、どんな商品を求めているかを把握しきれていませんでした。
ファンドラップを自ら販売することで、顧客の要望をきめ細かに把握する狙いがあります。
金融庁は、一部のファンドラップに対し、厳しい目で見ています。
問題は、手数料の高さにあります。
ファンドラップは、商品自体の手数料に加え、組み入れる投信の手数料がかかるため、コスト高になりやすくなっています。
金融庁は、商品の手数料と、組み入れる投信にかかる手数料総額が、年2~3%のファンドラップは、顧客の利益になりにくいと指摘します。
実際、国内債を中心とした安全資産の比率が高まると、運用収益がマイナスになる可能性があります。
運用会社の新規参入が増えることで、健全な競争が起きれば、手数料にも、低下圧力がかかる可能性が出てきます。
米国では、日本のラップ口座にあたる投資一任勘定「マネージドアカウント」残高は、1,500兆円を超えています。
相場情報や、個別の商品の紹介だけではなく、顧客のライフプランや資産全体を管理・保全する助言とリンクしているからです。
運用会社が、どこまで顧客に寄り添ったアドバイスができるかも重要になってきます。
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