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マグロの卸値が高止まり・2年で6割高【11月22日(火)】

冷凍マグロの卸値が高止まりしています。


コロナ禍に入って以降、巣ごもり消費に出漁不足が重なって、在庫が激減し、価格は高騰しました。


足元では、在庫水準は回復してきましたが、価格は、2年前より6割高い水準のままです。


高級すし店では、生のクロマグロが重宝されるのに対し、回転すしチェーンなどでは、冷凍メバチマグロがよく使われます。


メバチマグロの東京都中央卸市場の9月の平均価格は、1㎏=1,443円と、前年同月比13%高く、2020年と比べると6割高い水準です。


コロナ禍が長期化するなか、冷凍マグロの需給が引き締まりました。


供給面で大きいのが、乗組員不足による出漁の見合わせです。


冷凍マグロをとる漁船は、長期にわたっての出漁となります。


乗組員は、船長や航海士などは有資格者の日本人で、それ以外の多くは、インドネシアなど東南アジア出身の外国人船員で構成されます。


乗組員20人ほどのうち、13~15人は外国人になります。


コロナ禍で、外国人の入国が制限され、外国人乗組員の確保が難しくなりました。


たとえ確保できても、一定の隔離期間が必要で、宿泊代などの諸経費が数百万円単位になり、事業者の負担は重くなります。


原油高の影響もあります。


太平洋の赤道付近やインド洋、大西洋まで出漁するには、燃料負担が大きく、採算悪化を受け、出漁を見合わせる事業者が相次ぎました。


一方で需要は、コロナ禍でも堅調でした。


回転すし店などでは、テイクアウト需要が好調だったほか、スーパーなどでもパックすしとして、家庭の需要が追い風となりました。


供給不足と堅調な需要で在庫が減少し、メバチマグロの在庫は、2022年3月には、前年同期比、4割少なくなりました。


在庫減とともに、卸値は上昇の一途をたどりました。


ここへきて、外国人乗組員を確保した事業者が、出漁を一部再開し、在庫水準も回復に向かっていますが、卸値が下がる気配は、あまり感じられません。


出漁しても、水揚げが少ないという課題もあり、日本食ブームで、海外にマグロが流れる傾向も強くなっています。


円安も追い打ちをかけています。


豊洲市場に並ぶ冷凍メバチマグロのうち、もともと7割は、台湾や韓国、中国から輸入される海外産です。


日本円では、価格が高騰しても、円安のため儲けはほとんどかわらず、日本に売る優先順位は低くなっていると台湾の関係者は話します。


コロナの行動制限がなくなり、居酒屋や外食チェーンでは、冷凍マグロの需要は増えています。


外食業界では、今後、食材の確保などが課題となりそうです。


行動制限の緩和などで、客足は、コロナ以前の8割ほどに回復してきました。


仲卸や中小飲食店の積極的な買い付けもあり、マグロ相場の高止まりは、当面続くと見られます。

 

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