ロシア・並行輸入で経済底割れを回避【12月8日(木)】
シアがウクライナに侵攻して、9ヶ月が経過しました。
西側諸国から厳しい制裁を受けるなか、経済の底割れを回避すべく、躍起になっています。
2022年が、6.0%減から3.4%減に、2023年が、3.5%減から2.3%減と、各国のGDPの成長率見通しが、軒並み下方修正されるなか、10月、国際通貨基金(IMF)は、ロシアの成長率見通しを、マイナス成長とはいえ、上方修正しました。
一時は、経済崩壊の可能性も指摘され、何とか耐えていますが、背景には、ロシア政府によるいくつかの方針転換があります。
その一つが、これまで厳しく監視してきた、正規の代理店を通さない、並行輸入を推奨する決定をしたことです。
アップル、サムスン、レクサスなど、4月19日、ロシア産業貿易省が公表した、並行輸入リストは、56品目、23ページにわたります。
そこには、対ロシア制裁に踏み切った、西側の会社名やブランドが、列記されています。
西側企業の多くは、ロシアから撤退したり、輸出を停止したりしました。
ロシア政府は、その分を、並行輸入で補い始めました。
リストで注目されるのが、制裁対象品である半導体を製造する、TSMC(台湾)、インテル(米国)、ローム(日本)などが含まれていることです。
今年、ロシアの並行輸入額が、200億ドル(約2兆7,000億円)に達する見通しです。
一方、輸出は、欧州など西側向けから、新興国向けに転換し、1~9月の輸出額は、前年比27%増えました。
主たる輸出先は、中国とインドです。
10月、インドのロシア産石油の輸入量は、日量94万バーレルで、国別シェアでは、侵攻前の1%未満から、トップの22%に急増しました。
金融面での危機対応措置も効果的でした。
ナビウリナ中央銀行総裁は、外貨引き出し抑制などの資本規制に踏み切り、金融システムの崩壊を防ぎました。
しかし、制裁が効いていないわけではありません。
輸入は、並行輸入が、なんとか下支えしていますが、4~6月期、7~9月期とも、前年を下回りました。
輸出は、数字の上では好調ですが、石油・天然ガス価格が高騰したためで、数量は減少しており、石油は、ほかの産油国より割安価格を強いられています。
エネルギー価格の高騰が収まり、割引が常態化すれば、経済へのダメージは大きくなります。
ナビウリナ中央銀行総裁は、11月、西側の制裁は強力で、その影響から逃れることはできないと発言しています。
エネルギーは先細り、最先端技術とも縁遠くなり、優秀な人材や外国企業の流出が止まらないのがロシアの現実です。
これは、プーチン大統領が目指したロシアの姿ではないことは確かです。
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