就業人口減少・コロナ前の水準に戻らず【2月3日(金)】
人手不足が、日本経済の回復の壁になっています。
2022年の平均就業者数は、新型コロナ感染拡大前の2019年の水準には、戻りませんでした。
人口減少や高齢化の加速が響いています。
総務省が1月31日発表した労働力調査によると、2022年平均の就業者数は、6,723万人と、前年から10万人増にとどまりました。
コロナ感染拡大前の2019年に比べると、27万人少ない水準です。
2019年12月に6,780万人を超えていた就業者数が、最初の緊急事態宣言が出た2020年4月には、6,664万人に急減します。
第2波後の2020年4月には、6,739万人まで回復しましたが、2021年には感染再拡大のたびに就業者数が落ち込み、この水準を上回らずじまいです。
全国でまん延防止等重点措置が終わった2022年4月以降も、6,750万人は超えず、コロナ前の水準を下回ったままです。
企業が必要な働き手を確保できなければ、経済の正常化はおぼつきません。
宿泊・サービス業の就業者数は、コロナ前より40万人少ない381万人にとどまっていて、外食各社は新規出店も二の足を踏む状態です。
労働力が戻らない大きな要因は、人口の減少です。
2022年の15歳以上の人口は、2019年比で、74万人減少しています。
コロナ前には、定年退職後の高齢者が、再就職する動きが目立ちましたが、その流れがコロナ感染拡大で途絶えました。
高齢者の労働参加率が頭打ちとなり、経済が正常化するにしたがい、人手不足が深刻になってきました。
求人と求職のミスマッチも足かせになっています。
従業員の半数が外国人の翻訳ソフト開発会社によると、英語力とプログラミング能力を兼ね備えた人材を日本だけで確保するのは難しいと言います。
30~40代の男性の就業率はコロナ前より低いままです。
処遇の条件が合わないケースもあります。
ある家電量販店によると、IT(情報技術)系の採用を強化しているが、既存の賃金体系では、ニーズにあう人材は確保できないと言います。
足元で就業者数が伸びているのは、一部に限られます。
医療・福祉分野では、2022年平均で908万人と、コロナ前より7%増えました。
こうした産業には女性の働き手が多く、全産業の就業者数も、女性に限れば、3,024万人と、過去最多となっています。
今後は、幅広い分野で多様な働き手が活躍できる環境を整えていく必要があります。
企業と働き手の双方のニーズを考慮したリスキリング(学び直し)やマッチング支援などが重要な課題となります。
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