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ノリが不作で価格高騰・昨年の5割高【3月28日(火)】

おにぎりや寿司などに使う、ノリの産地価格が高騰しています。


2022年度の収穫期は、2022年11月から2023年5月頃までです。


各地の漁業協同組合による、販売価格の全国平均は、3月15日時点で1枚(縦21センチ、横19センチ)18.64円と昨年の同期に比べ52%高くなっています。


価格高騰を招いたのは、生産の急減です。


2022年度は、3月15日までで、前年同期比、3割減の40億8,612万枚で、収穫期終了時点でも、45億~50億枚にとどまると見られます。


2017~2021年度の5年間の平均67億枚を大きく下回ります。


国内生産量の半分ほどを占める、九州地方の不作が大きく響いています。


特に、有明海の不作が目立ち、福岡県と佐賀県では、前年と比べて半減しました。


海水温の高さが、不作の主因と見られます。


ノリは、秋から冬にかけて海水温が下がった時期に網を張り、海水中に溶けたリンや窒素といった栄養塩で成長します。


黒く色づいたものを春の終わりまでに収穫します。


今期は、網を張る11~12月になっても海水温が下がりきりませんでした。


海水温が高いと、魚がエサとしてノリを食べてしまう食害が増えます。


海中の栄養を取り合うプランクトンも発生しました。


降雨が少ないとノリの色づきが悪くなりますが、今期は、網を張った時に、2週間から20日ほど雨が降りませんでした。


有明海の不作を受け、兵庫県などの瀬戸内海や宮城県などの産地に買い付けが集まっています。


兵庫県産の平均価格は、1枚19.74円と前年同期より69%高くなっています。


兵庫県産は、おにぎりや巻物など、業務用が中心です。


今年の価格水準は、これまで聞いたことがない水準です。


生産量は、前年並みですが、沖合で養殖するため、船の燃料費や人件費の高騰も価格の押し上げ要因となりました。


宮城県産は、収穫量は40%増えましたが、それ以上に引き合いが強く平均価格は、55%高くなりました。


ノリの価格の上昇は、食品メーカーなどのコスト圧迫要因となります。


永谷園は、ふりかけやお茶漬けなどを6月から4~16%値上げします。


海水温の変化は、一過性ではないとの見方が多く、高い海水温に強い品種の研究を進めていますが、生産現場に出回るには時間がかかります。


業界関係者は、価格の高騰が、コロナ禍からの需要の回復を遅らせ、消費者離れを招くと懸念しています。

 


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