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リチウム価格が急落・1年3ヶ月ぶりの安値【3月31日(金)】

電気自動車(EV)用の電池材料のリチウムの価格が、一段と値下がりし、1年3ヶ月ぶりの安値となりました。


中国の販売促進策が、昨年末で終了し、再開も見送られたことで、当面の需要に対する悲観的な見方が強まりました。


近年、EV電池材は、リチウムへの依存が高まっていた分、高騰の反動が大きくなっています。


リチウム相場の指標となる炭酸リチウム価格は、3月24日現在、1トン=27万元(約510万円)と、2021年12月以来の安値となりました。


2022年11月につけた最高値(56万8,500元)の半値以下で、今年に入ってからは下がりっぱなしです。


値下がりの契機となったのは、中国政府が、新エネルギー車に対する販売補助金を昨年12月に打ち切ったことです。


好調が続いていた、新エネルギー車の販売に急ブレーキがかかりました。


1~2月の新エネルギー車の販売台数は、前年同期比、20.8%増でしたが、昨年夏には2倍前後だったのに比べ減速感が鮮明です。


3月13日まで開催された、全国人民代表大会(国会に相当)では、期待された補助金の復活は、打ち出されませんでした。


さらに、EVメーカーの恒大汽車が、資金不足で生産を停止する可能性が報じられました。


市場では、パニック売りが出たと見られています。


電池素材のなかで、リチウムの下げが突出しています。


コバルトは、2月末で下げ止まり、ニッケルも横ばい圏です。


ウクライナ危機が深刻化した昨春、ロシア産のシェアが大きいコバルトやニッケルは、供給不安が強まり、価格が高騰しました。


現在、EV用電池は、これらを使用しない、リン酸鉄リチウムイオン電池(LFP)が主力になっていて、中国ではLFPが65%を占めます。


リチウムは、南米やオーストラリアが、主産地で、ロシアのウクライナ侵攻に絡んでの供給不安は限定的です。


需要増を見越して在庫を積み増した結果、消化が遅れ、需給が急速に緩んでいます。


リチウムは、電池材料として重要性が高まるなか、相場の急落は、安定供給の妨げとなり、EVの普及と脱炭素の障害となる危うさをはらみます。

 


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