企業年金・2022年度は3年ぶりのマイナス運用【4月13日(木)】
2022年度は、-0.83%と、3年ぶりのマイナスになりました。
各国の利上げで、債券利回りが上昇(債券価格は下落)し、株式運用は、円安の恩恵もあって、プラスを確保しましたが、補い切れませんでした。
足元では、マイナス運用に歯止めがかかりつつありますが、世界景気の減速感が強く、先行きは、なお不透明です。
格付け投資情報センター(R&I)が約110の企業年金(運用資産は8兆円強)を対象に2022年4月~2023年2月までの運用実績などから推計しました。
マイナスになるのは、コロナの感染第一波で、年度末にかけて国内外の株価が急落した2019年度以来となります。
最も運用成績が悪かった資産は、外国債券(為替ヘッジあり)で、-10.25%でした。
各国の金融引き締めで債券価格が下落し、為替ヘッジを行っていたため、円安の恩恵は、享受できませんでした。
同債券は、資産全体の約5%を占めます。
為替ヘッジなしの外国債券(資産構成比約6%)は、円安で、年間利回りは、0.50%のマイナスにとどまりました。
国内債券(資産構成比20%強)は、-1.65%でした。
日銀が2022年12月の金融政策決定会合で、長期金利の変動許容幅を±0.25から±0.5%に拡大した影響で、国債の利回りが上昇し、年金基金が保有する国債価格が下落した影響が出ました。
株式運用は、国内外ともプラスでした。
外国株式(資産構成比14%)は、現地通貨ベースの利回りは5%強のマイナスでしたが、円安の影響で、2.36%のプラスを確保しました。
国内株式(資産構成比9%)は、5.81%と好調でした。
直近の2023年1~3月期は、2.54%と、5四半期ぶりにプラス運用に転じました。
米国の利上げ継続観測がやや後退し、ハイテク株を中心に買い戻され、シリコンバレーバンクの破綻で、比較的安全資産とされる債券も買われました。
ただ、世界景気の減速懸念は消えておらず、急激な円安は修正されていて、2022年度のような為替の恩恵は、望みにくくなっています。
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