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北朝鮮・対中国貿易が9割回復【5月29日(月)】

北朝鮮が、国連安全保障理事会の制裁をかいくぐり、貿易の拡大に動いています。


国境を接する中国側の町、遼寧省丹東市で、北朝鮮のカツラを売る北朝鮮企業の幹部の姿があります。


中国から人毛などの材料を輸入し、主要生産地の新義州と羅先、平壌の3都市に輸送し、周辺部に住む住民が自宅で内職し、ネットに毛を編み込みます。


完成後、中国側へ輸送して販売されます。


カツラ一つの製作時間は4~5時間、北朝鮮の人件費が安いため、事業として成り立つといいます。


北朝鮮にとって、中国との貿易額は、国全体の9割強を占めます。


中国と北朝鮮間の輸出入金額は、1~4月は6億8,460万ドル(約950億円)で、2022年同期比2.3倍、2019年の91%まで回復しています。


輸出額は、すでに2019年の同時期を上回っています。


対中国輸出額の1位は、カツラやつけまつげなどの毛髪製品で、輸出全体の約半分を占める4,057万ドルでした。


国連安保理は、2017年北朝鮮制裁を強化し、石炭や鉄、海産物、繊維製品などの輸出を禁止しました。


しかし、カツラや時計などの軽工業品は、現在も制裁対象外です。


北朝鮮は、2020年1月に、中国でのコロナ拡大を受け、国境封鎖を開始し、10月以降はトラックや船、鉄道の輸送がほぼ止まり、貿易額が激減しました。


その後、船による輸送を再開し、昨年9月には、中国との間の貨物列車の運行を再開しました。


事実上の制裁やぶりも行われています。


水産品の貿易は制裁対象ですが、海上で、中国の船を横づけして、品物を移し替える方法などが行なわれていると言います。


国連制裁で禁じられている、北朝鮮労働者の派遣も行われています。


丹東市には、7~8万人の北朝鮮人が滞在しているもようで、衣料品や海鮮加工の工場などが、雇用しています。


一人あたり2,500元(約49,000円)程度の月給のうち、労働者の取り分は600~800元ほどで、残りの多くは、北朝鮮当局が徴収しています。


中国からの輸入額の最多は、コメで1~4月で3,987万ドルでした。


深刻な食糧不足に対応するため、中国からの輸入回復を急いでいます。


今後の焦点は、北朝鮮が、いつ国境封鎖をやめるかで、トラックの輸送を6月に再開するする案が浮上しています。


外貨を稼げる外国人観光客の受け入れ再開も協議中です。


中国では、足元で、コロナ感染者がじわりと増えています。


北朝鮮は、医療体制が脆弱なため、中国からのコロナの流入が危惧されており、中国の感染状況をにらみながら、国境開放の時期を慎重に探るものと思われます。

 

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