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ロシアの国際大会復帰問題・スポーツ界を二分【5月30日(火)】

ウクライナ侵攻で、スポーツの国際大会から除外されてきたロシアとベラルーシの復帰問題がスポーツ界を二分しています。


3月末、国際オリンピック委員会(IOC)が、各競技の国際統括団体(IF)に対し、ロシアのウクライナ侵攻を支持しない、ロシアとベラルーシの「中立選手」に限り、選手復帰させるよう勧告しました。


国連人権理事会から、両国選手を一律に除外することは差別で、人権侵害であると示されたことが理由のひとつです。


これを受け、5月14日までドーハで行われた柔道の世界選手権には、ロシアとベラルーシの19選手が参加しました。


国際柔道連盟はIOCの指針に従い、軍や治安当局の関係者ではないことや、戦争のプロパガンダに参加していないことを証明する調査を行い、問題なしと認められた選手の出場を許可しました。


ロシア出身のアダミアン選手が金メダルを獲得し、表彰式では、国旗の代わりに大会旗が掲揚され、国際柔道連盟の公式歌が流れました。


大会中は目立った混乱はありませんでしたが、ロシア復帰に反対したウクライナは、大会をボイコットしました。


IFトップがロシア人のボクシングは、タシケントで開催した男子世界選手権で、国旗も国歌も使用できるロシア代表の参加を認めましたが、これに対し、ウクライナだけではなく、米国や英国、オランダも抗議して選手を派遣しませんでした。


IOCの復帰勧告にもかかわらず、陸上、水泳、バトミントンなど、除外を解除していない競技は多くあります。


国際フェンシング連盟は、復帰を認めましたが、フランスやドイツ、ポーランドといった国々が、相次いで国際大会を中止しました。


各競技で、パリオリンピックの出場権を争う選考レースは、徐々に始まっています。


IOCのバッハ会長は、ロシアの復帰勧告を出した一方で、パリオリンピック本番への参加の可否は、開幕1年前(7月26日)を過ぎてからになると、判断を先延ばししています。


国際情勢にスポーツが翻弄された苦い過去としては、東西冷戦下で行われた1980年のモスクワオリンピックと、1984年のロサンゼルスオリンピックのボイコットの応酬があります。


IOCは、この時の反省から、オリンピック憲章を改定し、現在は、「各国オリンピック委員会に選手を派遣し、参加する義務がある」と規定しています。


IOCとしては、オリンピックのボイコットをちらつかせるウクライナや、連帯を示す、欧州各国を批判せざるを得ず、ロシアに近い印象を持たれてしまう状況になっています。

 


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