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アパレル各社・商品出荷に大幅遅れ【10月22日(金)】

日本のアパレル企業で、秋冬物の新商品の発売が遅れています。


新型コロナの影響で、衣料品を生産するベトナム工場の稼働が落ち、商品を思うように調達できないためです。


緊急事態宣言が解除され、経済が再開に向かう中、個人消費の回復に水を差す可能性が出てきました。


【8011】三陽商会は、ベトナム工場で生産する秋冬商品の3割が出荷できず、発売は1~2ヶ月遅れる見通しです。


秋冬商品を本格的に売り出す10月下旬には間に合いません。


【7564】ワークマンも、ベトナムで生産するジャケットやズボンの出荷が1ヶ月遅れ、【8227】しまむらも定番の「FIBER HEAT」シリーズの肌着の出荷が、一時停止しました。


【3608】TSIホールディングスは、出荷が最大数か月遅れる見込みで、【7445】ライトオンも、秋の新商品で、最大45日の遅れが出ています。


【9983】ファーストリテイリング傘下のユニクロは、9月に売り出したユニクロ ユーのパーカーなどの新商品の発売を1ヶ月延長しましたが、一部は更に2ヶ月遅れることになりました。


ベトナムからの衣料品輸入額は、2020年には4,219億円で、10年間で4倍に増加しています。  


三陽商会やワークマンは、ベトナムの生産比率は、5%ですが、品質の高さが求められる商品を生産しています。


ベトナムのコロナ感染は、足元ではピークを越えたと見られますが、労働集約型の縫製業では、感染懸念を背景に、従業員が十分に戻っていなくて、生産が正常化するには、まだ時間がかかりそうです。


一部商品の生産を、国内や中国に切り替える企業もありますが、代替できる量は限られ、日本や中国は、人件費が高く、代替生産でコストも圧迫します。


発売時期の大幅な遅れは、アパレル各社の業績に影響を与える可能性があります。


秋冬ものは、春夏ものに比べて単価が高く、採算が良いのですが、12月からセールが始まるため、定価販売できなくなる恐れがあります。


海外のアパレル企業にも、影響が出ています。


米ナイキは、決算説明会で、コロナによる供給網の混乱が長引き、年末商戦に悪影響が出るとの見通しを示しました。


ベトナムの委託工場が、コロナの影響で生産を一時停止し、10月には再開しますが、フル生産までは数か月かかる見込みです。


アディダスも、ベトナムなどサプライチェーンの混乱で、年末商戦に影響が出る見通しを明らかにしています。


緊急事態宣言が解除され、アパレル各社は衣料品販売の復調を期待していましたが、秋冬ものの品不足が消費回復に水を差しそうです。

 


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