味わいや香りなどの品質の高さを評価された「スペシャルティコーヒー」の国際価格が上昇しています。
世界最高級とされる、パナマ産コーヒー豆「ゲイシャ種」は、2021年9月に開催された、国際品評会「ベスト・オブ・パナマ(BOP)」のオークションで、最高値、1ポンド(453.6g)2,568ドル(約30万円)で落札されました。
前年の2倍、2017年と比べれば、4倍以上に急騰しています。
BOPで最高額で落札した、サザコーヒー(茨城県)の鈴木社長よれば、中国企業との競り合いがあったそうです。
物流費などを考慮すれば、1杯分のコーヒー豆(約20g)の販売価格は、3万円を超えるそうです。
人気の高いエチオピア産も、日本などに割って入って、中国企業がずらりと並びます。
「スペシャルティコーヒー」は元々、1ポンド=2ドル程度の一般的なコーヒー豆に比べれば、高いのですが、ここ数年は、落札価格の上昇ペースが急ピッチです。
背景には、中国の積極的な買い付けがあります。
中国では、経済成長に伴うライフスタイルの変化で、コーヒーの消費量は、過去5年間で、3割以上増加しました。
都市部の若者がけん引する形で、「スペシャルティコーヒー」まで、消費が一気に拡大しています。
コーヒーの世界消費に占める中国のシェアは、2017~18年度の1.8%から、2021~22年度には2.5%まで上昇する見込みで、日本の4.5%との差は縮まっています。
特に、高級品市場での存在感が大きく、中国人のブランド志向は、コーヒーにまで及んでいます。
日本へのしわ寄せは、買い負けの形で、既に現れています。
2021年7月に開催された「スペシャルティコーヒー」の国際品評会「カップ・オブ・エクセレンス」に出品された、エチオピア産「モカ」の最高級品の落札額は、1ポンド150ドル(約1万7,000円)でした。
2020年の水準からは、2割弱下落したものの、希望していた10ドルとは程遠く、日本の業者には手が出ませんでした。
先進国の中でも、賃金が伸びない日本は、トップレベルの「スペシャルティコーヒー」は、既に高根の花となっています。
買い負けは、コーヒーだけでなく、肉や水産物でも起きていて、円安の進行は、輸入価格をさらに押し上げています。
2022年は高級品は、ますます買いにくくなるものと思われます。
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