アフリカでは、コロナワクチンの廃棄が相次いでいます。
供給不足と接種低迷にもかかわらず、ワクチン廃棄は、2月までに140万回分に達する見通しです。
保管、輸送インフラの脆弱さや、根強いワクチン拒絶感情が原因です。
ナイジェリア政府は、2021年12月下旬、使用期限切れの英アストラゼネカ製ワクチン100万回分の廃棄現場をメディアに公開しました。
エスワティニ(旧スワジランド)でも昨年12月、ファイザー製ワクチン約10万回分が期限切れとなりました。
ナミビアでは、2022年2月に、約21万回分が使用期限を迎えます。
ワクチン接種完了者の比率は、ナイジェリアで2%、アフリカ全体でも10%弱にとどまります。
接種率が極めて低い水準にもかかわらず、ワクチンが無駄になる最大の原因は、貧弱な物流インフラにあります。
アフリカ各国の物流インフラの水準とコロナワクチン接種率には、緩やかな相関関係が見られます。
例えば、アストラゼネカ製は、2~5℃の冷蔵保存が必要で、コールドチェーン(低温物流)が貧弱な国では、交通の便や電力事情の良い場所にしか、接種会場を置くくことができません。
ユニセフ(国連児童基金)は、アフリカ中部や西部で、太陽光発電で稼働するワクチン保管用冷蔵庫の設置を進めています。
コートジボワールやガーナのように、移動式クリニックや医療バスを配置した国もありますが、接種率を押し上げるには至っていません。
ワクチン懐疑論も根強くあります。
ニジェールやセネガルなど、西アフリカ5か国を対象とした調査では、ワクチン接種を受けようとは思わないとの回答が6割を占めました。
政府への信頼度が低く、ワクチンに関する偽情報や陰謀論が、ソーシャルメディアを通じて浸透しています。
ワクチン接種へのためらいは、今後の課題のひとつです。
先進国が寄付するワクチンの出荷時期が不規則だったり、使用期限が迫っているケースも多くあり、廃棄につながっています。
アフリカを含めた途上国へのワクチン供給の絶対量は、不足しています。
南アフリカで初めて報告されたオミクロン型に対処するため、先進国はワクチンの追加接種を急いでいて、アフリカ各国へのワクチンの供与をためらう動きも出ています。
アフリカ疾病予防管理センターは、2022年末までに接種率が、7~8割に達しない場合、新型コロナがエンデミック(特定の地域で普段から繰り返し発生する状態)になり得るとの懸念を示しています。
接種率向上が進まないなら、新たな変異型がアフリカで生まれ、世界へ拡散しかねません。
結果として、世界規模での新型コロナの収束が遅れる恐れがあります。
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