代表的なスパイスのコショウやトウガラシの国内価格が、上がっています。
アジア産の収穫量が、天候不順や災害で減少しています。
原料価格の上昇に加えて、円安も響き、香辛料会社や輸入商社は、販売価格を上げています。
香辛料を多く使う、中華料理店やエスニック料理店の食材コストが、上がっています。
商社から、加工会社へのコショウの販売価格は、肉料理などに使う黒コショウが1㎏1,150円~1,300円と、4月比で、9%高くなっています。
カップ麺の用途が多い、白コショウは、1,400~1,550円と7%上がっています。
黒コショウは、5年ぶり、白コショウは、4年半ぶりの高値です。
コショウは、ベトナム、インドネシア、マレーシアが主な産地です。
最大産地のベトナムでは、過去の価格低迷で、農場を放棄する農家が増え、天候不順や新型コロナウイルス禍による、人手不足もあり生産量が減っています。
日本の主要輸入先であるマレーシア産が、生産の端境期で、供給が減っていることもあり、さらに、昨年同時期より20円ほど、円安・ドル高となっていて、輸入コストが上がっています。
原油高で、燃料費が上がり、輸送コストも膨らんでいます。
トウガラシも、高くなっています。
国内の商社では、主力品の買い付け価格が、1㎏1,500~1,800円と前年同期比で、5割も上がっています。
2021年に、中国の主産地である海南省が、水害に見舞われました。
商社では、今年に入って、食品会社や卸への販売価格を1~3割上げましたが、円安の影響で調達コストは上がっています。
飲食店には、打撃です。
トウガラシやコショウといった、香辛料の仕入れ価格は、前年同期比で、10~15%上がっています。
肉や水産物、油などの価格が、軒並み上昇し、スパイス高がさらにコストを押し上げています。
中華料理店では、麻婆豆腐や自家製ラー油にトウガラシを多く使います。
ある中華料理店では、5月下旬からメニューの多くを値上げしますが、企業努力だけでは、コストを吸収できないと話しています。
スパイスの消費は、世界的に増えています。
アジアでは、即席めんの消費拡大に加え、経済発展で、肉や魚の消費も増えていて、コショウの消費が、伸びています。
既に、ヱスビー食品やハウス食品は、家庭用香辛料の値上げを発表しています。
総務省の家計調査によると、コショウなどを含む「他の調味料」の一世帯当たりの購入額は、2020年と2021年は1万4,000円台でした。
2010年代は、1万~1万2,000円台でしたが、コロナ禍で、家庭での調理機会が増えたためと見られます。
香辛料の値上がりは、家計にもピリリと辛いことになっています。
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