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中国の景気に陰り・不動産低迷【6月8日(木)】

中国の景気回復力に陰りが出てきました。


国家統計局が発表した5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は、48.8と、2ヶ月連続で好不調の境目の50を割れこみました。


製造業PMIは、4月を0.4ポイント下回りました。


小幅に上昇すると見込んだ市場予測とは逆に低下しました。


不振が目立つのは、国内総生産(GDP)の3割を占めると言われる不動産です。


主要50都市の新築取引面積は、4月に、前月比25%減り、5月も、同1割超落ち込みました。


2021年前半まで高水準だった、取引水準も、2022年以降は、低水準が続いています。


広東州深圳に隣接する恵州では、5月下旬、4~5割引きの新築物件が、売りに出されましたが、既存の家主らが猛反発、白紙撤回に追い込まれました。


市場の需給に見合った値下げが難しくなり、消費者の住宅購入意欲は、盛り上がりを欠いています。


手元にお金の余裕があっても、新たに物件を購入するのではなく、住宅ローンの前倒し返済に充てる人も、少なくありません。


販売の低迷を受け、新たなマンション建設も増えず、1~4月の新規着工面積は、前年同期比、21%減でした。


1月のゼロコロナ政策の終了で、経済活動は正常化しましたが、企業収益の改善は、進んでいません。


国家統計局によると、4月末時点では、29.5%の民間企業が赤字でした。


4月末で比べると、確認できる2011年以降では、最多でした。


収益改善がなされなければ、雇用にも影響が出ます。


1~4月の都市部新規雇用は424万人、昨年は、上海がロックダウンに踏み切ったため、昨年よりは、4%上回りましたが、コロナ感染拡大前の2017~2019年の平均と比べると、9%少なくなっています。


企業や家計は、先行き不安を拭えません。


5月1日の労働節をはさんだ大型連休では、旅行者一人当たりの支出が、コロナ前の2019年比で15%減りました。


ゼロコロナ政策終了後に見られた、旅行などのリベンジ消費にも、節約志向がうかがえます。


経済が正常化し始めた年初には、コロナ禍で積みあがった過剰貯蓄が、消費などの回復を下支えするとの見方もありましたが、企業収益や雇用の改善が遅れるなか、貯蓄志向が和らぐには、時間がかかりそうです。

 

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