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自社株を使った役員報酬・導入企業が約1,900社 【8月27日(金)】

役員報酬に自社株を使う動きが強まっています。


企業価値の向上へ、株主と経営者の足並みをそろえようとする企業が増えたことに加え、来年4月の東京証券取引所の市場再編が、特需を生んでいます。


今年6月末時点で、株式による役員報酬を導入済みの企業は、前年同月比で、210社多い約1,900社でした。


これは全上場企業の約半数に当たります。


2018年時点で、95%の上場企業が導入している、米国や英国の背中を追いかけています。


自社株を使った役員報酬は、新株予約権(ストックオプション)、譲渡制限付き株式報酬(RS)、株式給付信託に大別されます。


いずれも交付時より株価が上がっていれば、売却益を得られる仕組みで、役員に業績や株価を上げる動機が働きやすくなります。


足元で活況なのが、株式給付信託です。


株価や業績に基づいて毎年ポイントを付与し、獲得数に応じて自社株を交付します。


企業業績と役員報酬の連動性が強く、透明性も高められるとして、今年【9432】NTTや【7012】川崎重工業が導入を公表しています。


来年4月に東証が市場区分を見直しますが、最上位と位置付けられるプライムは、自由に売買できる株式の比率を35%以上とするように基準を設けます。


株式給付信託を使うと、役員に交付される株式は、概ね流通株となり、流通株比率を高める効果があります。


譲渡制限付き株式報酬(RS)の伸びは、それ以上です。


あらかじめ役員に自社株を割り当て、条件を満たして、譲渡制限が解けると売却できます。


6月の株主総会で【9532】大阪ガスや【8369】京都銀行が、導入を認められました。


日本企業の収益力が低い一因として、業績連動型の役員報酬が限定的である点が、指摘されてきました。


2015年のコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)で、現金と自社株を合わせた役員報酬を導入すべきだとしています。


業績に連動する役員報酬の導入で、コーポレートガバナンス・コードとの整合性を確保しようとする企業は、少なくありません。


ただ、自社株による役員報酬が多くなるはど、最高経営責任者(CEO)の報酬が膨らみやすくなります。


従業員との過度の格差は、摩擦を生む一因となります。


結果で応えた経営陣に報いる一方で、投資による大型の損失や不祥事には報酬を返還する、クローバック条項を検討すべきだとする専門家もいます。

 


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