外国企業が中国市場で発行する、人民元建て債券(パンダ債)の発行が、急減しています。
今年6月までの発行額は、79億元(約1,600億円)と、前年同期比で半減しました。
「ゼロコロナ」政策で中国経済の先行きへの警戒感が強まり、外国企業が、設備投資などに慎重になっています。
米欧と中国との関係悪化が、投資意欲を低下させている可能性もあります。
今年に入ってパンダ債を起債したのは、独BMWと独メルセデス・ベンツグループの金融子会社の2社で、発行額は、上半期としては、2016年の30億元以来、6年ぶりの低水準となりました。
2021年は、6月までで、5社・機関が発行し、通年の発行額は、324億元と、過去最大でした。
パンダ債の主な発行体である、欧州の自動車会社や金融機関は、人民元で調達した資金を元手に、設備投資したり、販売網を整備したりします。
手持ちの外貨を人民元に換える必要がないため、為替リスクを抑えられる利点があり、2002年の解禁以来、拡大してきました。
2021年は、世界経済がコロナ禍から回復し、中国でも、不動産市場の混乱などはあったものの、起債意欲は旺盛でした。
しかし、今年に入ると、中国でコロナ感染が再拡大し、製造拠点である上海などで、大規模な都市封鎖(ロックダウン)が相次ぎました。
足元では、正常化に向かっていますが、今後も、いつ都市封鎖するかわからず、急な工場の稼働停止や消費低迷のリスクを考えると、外資が積極的に投資する地合いではありません。
上海に進出している米国企業で組織する上海米国商会の実施したアンケートでは、会員企業133社の内、48%の企業が、今後の対中国投資計画を減額・延期すると回答しています。
欧州企業が会員の中国欧盟協会の調査でも、回答者の28%が、対中投資を他市場へ移転を検討しているなど、外資の対中ビジネスの冷え込みが目立っています。
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