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中国・インフラ債発行が過去最大の78兆円【11月16日(水)】

中国の地方政府が今年発行する、インフラ債の新規発行額が、過去最大の4兆元(約78兆円)を突破する見通しです。


インフラ債の発行額は、10月までで3兆9,700億元を超え、通年で最多だった2020年の3兆6,019億元を超えました。


11月にも、少なくとも600億元の発行計画があります。


中国政府は、2022年の新規発行枠を3兆6,500億元と決めていますが、7月末までにほぼ発行を終えています。


発行が年前半に集中したのは、今春の上海市のロックダウンで悪化した景気の下支えを急いだためです。


財政の拡張で、インフラ投資は堅調です。


1~9月の投資額は、前年同期比8.6%増加していて、通年でも、2017年(19%)以来の大きさになりそうです。


2022年は、従来の交通インフラなどに加えて、高速通信規格「5G」の設備投資や新エネルギー関連を加えました。


次世代技術への投資を増やして、潜在成長力の底上げにつなげます。


懸念となるのが、債務の返済圧力の増大です。


ゼロコロナ政策で、個人消費や民間投資がしぼむなか、インフラ債の発行は、高止まりしています。


インフラ債の発行残高は、2019年末比で2.1倍に膨らんでいで、利払い負担が重くなれば地方財政の破綻リスクが高まります。


インフラ債の利払い費が、政府性基金の歳出の10%を超えた場合、財政再建計画を発動しなければならないと規定されています。


地方政府全体の利払い比率は、2021年時点で3.7%でした。


しかし、財政に比較的余裕がある大都市や、沿岸部の都市はともかく、産業基盤が弱い中小都市は財政が、ひっ迫しています。


政府性基金の歳出は、歳入の大半を占める、土地収入の動向に左右されます。


地方政府が、不動産開発企業に国有地の使用権を売って稼ぐ、土地収入の減少が止まりません。


米S&Pグローバルは、地方政府の最大3割が、2022年末時点で、10%基準に抵触すると見ています。


財政難の解決策が見つからなければ、中央政府の負担が重くなります。


米中の金利差もあり、海外投資家は中国国債への投資に、慎重にならざるを得ません。

 

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