羽毛布団が、値上がりしています。
欧州の鳥インフルエンザの流行で、羽毛の流通が減ったためですが、景気減速による中国の食事情も影響しています。
寝具大手の西川は、3月、主力ブランド「西川プレミアム」の羽毛掛布団を17%程度値上げしました。
シングルサイズで、最安品が7万7,000円となります。
同社は、2022年4月にも値上げをしており、合計で4割ほど高くなりました。
理由は、欧州産グース(ガチョウ)の高級羽毛の値上がりで、仕入れ価格は、昨年の1.2~1.4倍で過去最高となっています。
日本は、原料の羽毛のほぼ100%を輸入に頼りますが、2022年の輸入単価は、前年比24%高い1㎏7,433円と、2014年の最高値(7,518円)に迫ります。
2014年当時は、前年に中国で鳥インフルエンザが流行し、鳥の処分が相次ぎました。
羽毛は、グースやダック(アヒル)などを食用で飼育した後の副産物です。
グースの羽毛は東欧産が多く、今回の高騰も鳥インフルエンザが主因です。
欧州では、2021年秋以降の感染が過去最悪のレベルになっていて、収束のめどはたっていません。
もっとも、欧州産の羽毛の生産量は世界の1割程度で、9割は中国産です。
ダックの皮は、高級中国料理、北京ダックとして珍重されますが、羽毛は、やや割安な寝具向けに流通しています。
景気減速により、中国ではダックの消費が細っており、飼育数も減少しているようです。
ウクライナ危機も、日本の羽毛寝具に影響しています。
ロシア産グースの羽毛を使った布団は、店頭から消えました。
もともと流通量は少なかったのですが、平和を志向する消費者が敬遠するようになっています。
羽毛布団は値上がりしていますが、消費者の購入意欲は衰えていません。
高島屋日本橋店では、20~30万円の商品の売れ行きが好調です。
コロナ禍の生活で、睡眠の質に関心が高まり、大谷翔平選手の睡眠へのこだわりが話題となったためか、寝具への出費を惜しまない消費者が増えています。
ホップライオンジャパンは、大手量販店などと組んで、ウクライナ産羽毛を使った布団の販売を9月から始めます。
ウクライナの苦境に関心を寄せる消費者の応援消費を見込んでいます。
羽毛布団の値上がりは、睡眠に対する消費者の意識向上が背景にあるようです。
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