日本銀行が、上場投資信託(ETF)の購入を開始して、10年が経過しました。
当初は、4,500億円でした購入予定額は、年と共に増えていきました。
そのような中、2020年11月、日本の株式市場で、歴史的な交代が起こりました。
日銀の株式保有額が、45兆円になり、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を上回ったと見られることです。
日銀は、10年で、日本企業の最大の株主になりました。
日銀が、ETFの購入を決めたのは、2010年10月で、最初の購入は、同年12月に行い、142億円買い付しました。
当時の、白川日銀総裁は、ETF購入は、異例の措置と強調しましたが、脱デフレを掲げる安倍首相と黒田日銀総裁の下で、購入は加速しました。
その後、年間購入予定額は、コロナ感染が世界経済を直撃した、今年には、上限が、12兆円まで増加しました。
東証一部上場銘柄のうち、事実上、日銀が筆頭株主の企業は、足元では、100社を超えた模様です。
例えば、【8267】イオン【2801】キッコーマン【7751】キャノン【2503】キリンホールディングス【8604】野村ホールディングス【2282】日本ハムなどは、日銀が、実質的筆頭株主だと思われます。
筆頭株主ではないものの、【9983】ファーストリテイリングの保有比率は、20.5%で、近いうちに、筆頭株主の、柳井会長兼社長を上回るのは確実で、【6857】アドバンテストも、保有比率が、20%を超えています。
日銀が、買い付することにより、市場に流通する株式が減少し、株価形成が、ゆがめられる懸念があります。
また、日銀のような、公的な主体が、大量に株式を買えば、淘汰されるべき企業も、延命が図られてしまい、ETFの購入は、辞めるべきだとの意見もあります。
日銀は、2%の物価安定目標達成のための政策として、ETF購入を進めているので、当面は、継続が見込まれます。
「株は、買えども口は出さない」という日銀の姿勢が、問題だとの意見があります。
金融庁の、機関投資家向け行動指針(スチュワードシップコード)は、年金基金に対して委託先の運用会社を通じて、議決権に関与することを求めています。
日銀としても、年金基金同様に、企業価値の向上に、積極的に取り組むべきであるとの指摘があります。
ETFの場合は、直接の株主は、日銀ではなく、各運用会社になりますが、政府が、企業統治改革を進める中、最大の株主として、責任ある投資家としての、行動が求められます。
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