個人の株式保有比率・16.6%【7月14日(木)】
2021年度の株主分布調査によると個人の保有比率は、金額ベースで、16.6%と、50年前から半減しています。
日本では、第二次世界大戦後、財閥や政府が、保有する株式を個人に持ってもらう「証券民主化運動」が起き、1970年度には、個人株主の保有比率が、4割近くありました。
しかし、その後、外資から経営権を守るため、企業が銀行などとの株式持ち合いを加速させました。
バブル崩壊で、日本企業の成長期待も薄れ、2011年度以降は、個人保有比率がじりじりと下がり、直近は2割を切る水準が続いています。
個人株主数は、6,400万人と8年連続で増えていますが、この数字は、各上場企業の株主数を単純に足した、延べ人数です。
実態は、1,400万人と言われ、人口の9人に1人にとどまります。
韓国は、4人に1人の計算になります。
米国では、金額ベースで、4割を個人が保有しています。
家計の金融資産に占める、株式と投資信託の比率も、日本は、欧米に比べて低い。
日本では、個人で株を持つのは、60歳以上に偏っていて、金額ベースで67%保有しています。
高齢者が相続を意識するようになると、保有株を売却して不動産を購入するケースが少なくありません。
株式と不動産で異なる相続税の評価制度が背景にあります。
上場株は、取引所でついた時価がそのまま評価額になるのに対して、不動産は実勢価格の70%程度が評価額になります。
富裕層の最大の関心事は節税です。
30歳未満の個人が保有する株は、全体の1%にとどまります。
しかし、投資意欲は旺盛で、楽天証券では、新規口座開設者のうち、20~30代が7割弱を占めます。
マネックス証券でも、30代の口座開設が最多です。
こうした日本の個人投資家が向かう先は、外国株式です。
1~6月、外国株で運用する投資信託には、4兆6,000億円が流入し、6月の資金流入が最も多かったのは、米S&P500種株価指数に連動する投信でした。
海外株を中心に、若者などの株式への関心は高いのですが、日本株の個人投資家が増えにくいのは、最低売買単位などの問題があります。
例えば、ファーストリテイリングの株は、最低680万円ないと購入できません。
米国株は、1単位で購入でき、アップルの株は、1株145ドル程度(約20,000円)で購入できます。
トヨタ自動車は、昨年9月末基準で1株を5株に分割し、投資最低金額が約20万円と5分の1になりました。
その結果2022年3月末の個人株主は74万5,000人と7割増えました。
NISA(少額投資非課税制度)も見直しの余地があります。
NISAの非課税枠は120万円で、参考にした英国のISAは320万円と開きがあります。
NISAは、投資期間を限定するのに対して、ISAは、期間の制限はありません。
個人の裾野を広げて行くには企業が成長するだけでなく、税制や売買制度、金融教育を含めた幅広い議論が必要となります。
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